■ 変額年金保険って何? part1
10月に入りすっかり秋らしくなってきました。運動会シーズンで色々とお忙しい方も多いではないでしょうか?
来週はまたまた3連休となりますが、お天気に恵まれると良いですよね。
本年10月1日から、銀行の窓口で生命保険の販売が始まりました。
とはいえ、保険商品の全てを扱っているわけではなく、個人年金保険、財形保険などのような「貯蓄性」商品が中心です。中でも最も力を入れているのが「変額個人年金保険」で、その注目度は高くニュースなどでも取り上げられています。
そこで「変額個人年金保険ってなんだ?」ということで、今回から3回くらいに分けて仕組みや特徴などを解説していきたいと思います。
長い期間にわたって積立形式で保険料を払い込み、年金原資を作っていき、あらかじめ決めている年齢になったときから、今度は貯まったお金を年金として受け取っていくという点では「変額型」も「定額型」も違いはありません。
では、どこが違うのかというと、「定額型」の場合、契約のときに基本年金額が決まっています。
例えば、現在のような低金利のときに定額型の年金保険に契約した場合、今後、景気が回復しても、契約したときの、金利の低かった条件がそのまま適用されます。
また貨幣価値が下がったりしても、それに対処することはできません(たとえば、これまで1万円で買えていたものが1万2000円出さないと買えなくなったとしたら、1万円の価値が下がったということになりますね)。
ただし、一方で高金利のときに契約したものは、逆に当時の高金利の条件が適用されているので、今はお得ということになります。
年金保険は長い時間をかけて積み立てていく商品なので、今から契約を考える場合、物価がどのように変化していくのかを考えることが大切です。
また「定額型」は他の生命保険と同じ様に「運用されますが、どのような運用がされているのか契約者からは良くわかりません。
運用が上手くいけば、決まった年金額に配当が付くと言いますが、保険会社全体の運用が上手くいった上に、その会社がきちんと運営されない限り配当など出てこないのが実情なのです。
それに対して「変額型」は、払い込んだ保険料のほとんどが積立金として株式や債券の投資に回るという、言うなれば投資信託で、主な運用先は株式といっても良いほどです。
株式市場は基本的に経済状況に連動して動くわけですから、積立金は貨幣価値を失わない可能性が高くなるというわけです。
また「変額型」は積立金は保険会社の運営とは別に運用されており(「特別勘定」と言います)、さらに言えば、一つ一つのファンドの運用成果で年金額が決定すると考えれば良いでしょう。
契約してから年金受け取り開始になるまでのファンドの運用成果が年金の原資となるので、受け取る直前まで金額はわかりません。
これがこの保険のデメリットになるのですが、これは次回詳しくご説明しましょう。
大きな違いは「定額型」は基本年金額が保証されていることでしょう。
「変額型」は運用成績が悪ければ元本割れを起こすリスクはありますが、逆に運用成績が良ければ年金原資が増え、受取年金額が増えるという可能性があります。
運用対象となるファンドは複数の中から、自分で選択でき、かつ乗り換えも
自分の判断で出来るので、上手に運用できればそれだけ利益も大きくなります。
したがって、変額個人年金保険は、受け取りまでが長ければ長いほどリスクが分散される商品であるといえると思います。
こうした点についても次回ご紹介する予定です。