■ 変額年金保険って何? part2
この連休はいかがでしたか? 毎日晴天で行楽日和でしたね。私の場合は、日頃さぼりがちの家事をこなして、あっという間に3日間が過ぎてしまったような感じでした。
今回は前回に引き続き「変額年金保険」についてお話をしていきます。前回は「変額年金保険」とは…という入門的なお話をしたわけですが、今回はもう少し突っ込んで、細かく見ていきましょう。
改めて確認しますが、「変額年金保険」は保険料の大部分が積立金となり、投資信託を利用して運用される商品です。
読者の皆さんからの質問などを拝見すると、投資信託に興味がある方も大勢いらっしゃるようです。
では、投資信託と変額年金保険との違いは何でしょう? 投資信託と比較した場合の「変額年金保険」のメリット・デメリットをまとめてみましょう。
●メリット
1. 複数の投資信託を選べる
複数の投資信託を利用しようと思うと、通常それなりの資金準備が必要となりますが、変額年金保険の場合、少額の資金でいくつかの投資信託のポートフォリオ(組み合わせ)運用ができます。
2. 年金受け取りまで税金が免除される
積立期間中(年金受取開始まで)は運用成果(収益など)に対する課税がありませんので、高い複利効果を得られます(投資信託の場合は、毎年収益分配金に対して20%の源泉分離課税が課されます)。
スイッチング(投資信託の乗り換え)による運用益も同様に繰り延べられます。
3. 税金の控除が受けられる
「保険」ですので、払っているお金は「一般の生命保険料控除」の対象として所得控除が受けられます(所得税からは最高5万円、住民税からは最高3万5,000円まで)。
4. 販売手数料はなし
投資信託の場合は、買うときに販売手数料を支払うことになりますが、変額年金保険では販売会社(保険会社)に販売手数料を支払う必要がありません。
5. 受け取り方を選べる
運用成果(収益)およびその元本を、年金形式で受取ることも、一括して受取ることもできます。年金受取の場合は、公的年金と同様に雑所得扱い、その他解約時や年金受取時に一時金を受取る時には一時所得扱いが基本となります。
6. 保険機能もついている
変額年金保険は、あくまでも「保険」ですから、一定の保障機能がついています。例えば、被保険者が年
金受取開始前に死亡した場合、所定の「死亡保険金」が支払われます。また、この場合、相続人一人あたり500万円の相続税の非課税枠が適用されます。
●デメリット
1. 管理費が必要
保険であるため、資産運用関連費用(運用報酬、信託報酬など)のほかに保険関係費用(契約管理費)が毎年かかります。
2. 解約すると控除費用がかかる
早期解約には、解約控除費用(経過年数に応じて)がかかります。各保険会社によって設定が異なりますので、これは次回にご紹介します。
3. 選べる投資信託が限られている
運用委託先(ファンド)の種類が保険会社の選定により限られています。1つのファンドしかない保険会社や逆に多くの選択肢を持つ会社もあり、ご自分のニーズで考える必要が出てきます。
4. 年金管理費が必要
年金支払い中は「年金管理費」として年金額の1%程度を支払うことになります。
5. 会社が破綻したときのリスクは大きい
会社が破綻したときに限っては、投資信託よりもリスクが大きくなります。
変額年金保険はあくまでも保険商品ですから、その会社が破綻すれば、他の保険商品同様「生命保険契約者保護機構」で処理され、2001年4月以降は、責任準備金の90%までしか保障されなくなります。
より健全な保険会社を自分で選ぶということが不可欠になります。
変額年金保険も投資信託も、その運用は株式や債券で行うので、前回触れたように金利や物価の動きに連動して資産評価額が動きます。
但し、その変動は、長期で考えた方が、変動のぶれが小さくなり、リスクヘッジすることができるのです。
また、投資信託のお話をしたときにも触れましたが、時間分散して同金額を積み立てていく手法(ドルコスト平均法)を利用することで、さらにリスクヘッジが可能です。
私たちの世代では、老後の公的年金は正直言って頼りにはできませんので、自分で考えて資産を殖やしてく努力が不可欠です。
たくさんある金融商品の中のひとつとして検討してみてください。
次回は実際にどんな保険会社がどんな変額年金保険を販売しているのか、またその保険会社の格付けはどうなのかをご紹介したいと思います。