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共済保険を解剖! part1
先週は、東京でも気温25度を越える日もあり、春を通り過ぎて夏が来たような陽気でした。5月に向けてそろそろ外出時には紫外線も気になる季節。日焼け止めや日傘が手放せなくなりそうですね。
今回は、話題となっている「共済」についてお話していきます。
万一の場合を考えて、ほとんどの方が生命保険に加入しているわけですが、最近は不景気でお給料の頭打ちやリストラの心配もあって、保険を見直して「共済」に乗り換えるケースが増えているようです。
「共済」の大きな特徴は、1)掛け金が安いこと 2)年をとっても掛け金が値上がりしないこと 3)年1回の決算によって、受入掛け金から共済金と運営コストを差し引いた余剰金は「割戻金」として加入者に戻ること などが挙げられます。
どんな「共済」があるのでしょう。その人気の度合いは、今年の掛け金の上昇率で見ることが出来ます。CMなどで名前ぐらいは耳にしたことがあるというものもあると思いますが、大手の商品を簡単にまとめてみると下表のようになります。
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JA共済連
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全労済
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全国生協連
(都道府県民共済)
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日本生協連
(CO・OP共済)
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受入掛け金額
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5兆3060億円
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5244億円
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2438億円
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363億円
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掛け金上昇率
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2.0%
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8.3%
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18.2%
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8.5%
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上記以外にも、職業によっては、同職業ごとに運営されている組合などで「共済」を活用している場合もあります。
では、「共済」とは、どういうものなのでしょう?
「共済」は、国や県などが設立に関係している組織ではなく、独立した非営利の協同組合の形式で運営されています。
例えば、JA共済は「農協」が母体になっていますし、全労済は「全国労働者共済生活協同組合連合会」が正式名称です。
そのため共済に加入する場合は、まずそれぞれの組織の「組合員」になる必要があります。そのために、各組合が決めた出資金を支払う必要がありますが、そんなに高額なものではありません。
共済の商品の詳細は、次回にしますが、今回は現在の「共済ブーム」の中で、読者の皆さんに注意をしていただきたい点をお話しておきたいと思います。
上に挙げた共済は、大手共済であり、「認可共済」で監督官庁のチェックが入っています。
全労済、日本生協連、全国生協連は、厚生労働省の管轄下にある協同組合として共済商品の認可を受けていますし、JA共済は農水省の認可を受けた共済商品を販売しています。
しかし、生命保険が全て金融庁の監督下にあるのと異なり、共済はむしろほとんどが無認可であることを知っておいて欲しいと思います。
共済は、仲間内で相互に助け合おうという発想から生まれたものです。従ってその規模は様々ですが、基本的に同じ業種や同様の目的をもった団体などが、お互いに助け合うことを目的に共済サービスを提供するものだと思ってください。
もし、名前も聞いたことのないような、共済を進められた場合は、
1)財務内容を開示している
2)掛け捨ての保障かどうか
3)保険会社などに「再共済」(再保険)を掛けているかどうか
の三点を確認しましょう。
いつぞや、政治家が主宰した共済が問題になったことがありましたが、高利をうたい文句にした積立商品は、この低金利時代ですから、注意が必要です。