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老後の資金作りになるか? 日本版401K
今年は暖冬のようで、スキー場はオープンしたものの地面がかなり出ていて滑走が出来ない状況のようですね。夏は冷夏で、冬は暖冬。レジャー関連の企業にはたまらない年です。読者の皆さんは、年末年始のご予定はもう決まりましたか?我が家は来年も寝正月になりそうです。
さて、今回はちょっと気になっているニュースを取り上げたいと思います。12月8日の新聞でも取り上げられましたが、自民党税制調査会は2004年度税制改革で「確定拠出型年金(日本版401k)」の掛け金の非課税上限額を引き上げる方向で最終調整に入るようです。公的年金の問題が、取りざたされている中、その補助的な役割を更に高め、普及を促進することが狙いです。
まず、確定拠出型年金の月額掛け金の非課税限度を現行と厚生労働省の要望とを比較してみます。
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現行
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厚生労働省要望
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企業型401k(企業が従業員のために導入)
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他の企業年金がない場合
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36,000円
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66,000円
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他の企業年金がある場合
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18,000円
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33,000円
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個人型401k(会社員は企業年金がないのが条件です)
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会社員の場合
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15,000円
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66,000円
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自営業者などの場合
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68,000円
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68,000円
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日本版401kでは、積み立てられる額に上限が設けられています。これは、積み立てた拠出額は非課税対象となり積み立てた額を社会保険料のように控除でき、また積立金を運用して得た運用益についても非課税となり、更に年金として受け取る時も、公的年金と同様の扱いとなるため、際限なく積立できないように制限を設けているのです。
ただ、現行の積立では、40年積み立てても運用益を含まなければ、他に企業年金のない会社員の場合で約1700万円程度でしかありません。これが厚生労働省要望のようになれば、3000万円近くを積み立てられることになり、老後年金不安に対しての対応としても期待が持てます。
また、確定拠出型年金の運用の普及が進めば、その運用は株式などで行われるので、株式市場への効果も期待できると言うわけです。
今回お話した改正はあくまでも、厚生労働省の要望レバルで、今後の調整によって正式に決定してくることになりますが、公的年金問題に呼応して早急な対応がされると思います。
企業が401kを導入していれば、積み立て額の増額を検討するでしょうし、まだ導入していない企業も導入してくるきっかけとなるかもしれません。
老後資金作りは、頭の痛い問題ですが、税制優遇されている401kの使い勝手が更に良くなれば、もっとたくさんの人が利用することになります。それを踏まえて、次回から日本版401kについて概略をお話していければと思います。