ファイナンシャルプランナーの役立つお話(最近よく聞くドル建ての保険ってどういうの?) | 保険の相談ならお任せください

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コラム
 

■ 最近よく聞くドル建ての保険ってどういうの?

 

最近では保険もドル建ての商品がたくさん出てきていますね。ドル建ての保険とは、今までのふつうの円建ての生命保険と違い、基本的に保険料をドルで払い、保険金をドルでもらうものです。なんでそんな面倒なことをするのよ?いったいどういうメリットがあるの?と疑問を持つ人も多いでしょう。今回は基本的なしくみをひもといてみます。

 

まずは「保険で貯蓄ができる」ってご存知でしたか?貯蓄タイプの保険の代表的な商品に終身保険、養老保険、個人年金保険の3種類があります。

 

終身保険

保険料を払い、解約時に払い込んだ保険料を上回る解約返戻金を期待する商品。

養老保険

保険料を払い、満期時に払い込んだ保険料を上回る満期金を期待する商品。

個人年金保険

保険料を払い、払い込んだ保険料を上回るお金を原資に年金形式で受け取れる商品。

 

 生命保険は基本的に契約時に「保険料」と「契約金額」(つまり「保険金額」や「解約返戻金」や「満期金額」や「年金額」のこと)が決まります。基本的に「保険料」は契約時から一定なので、いいかえれば「保険料」を固定金利で運用して得られるものが「契約金額」と考えられます。

 だったらこの固定金利ができるだけ高いほうが有利なはず。高金利なほうが同じ「保険料」なら高い「契約金額」が期待できます。ひっくり返して考えれば高金利なほうが、同じ「契約金額」を得るのに安い「保険料」ですむのですから。

 しかしながら日本の金利状態はご存知のとおり、低迷中・・・。そこで海外の高金利に目を向けたのが外貨建ての保険ということなのです。そして多くは積立利率変動型といって、この固定金利に最低保証を設けて変動し、金利が最低保証金利よりあがればその恩恵として「契約金額」にはねかえってくるものです。

 ただし、いくつか注意点があります。まずは為替リスクです。せっかく高い固定金利で契約しても、受取時に契約時より円高(=円の価値が上がり、相対的に相手国の通貨の価値が下がってしまうこと)になってしまったらどうなるでしょう。この場合「契約金額」が減ってしまいます。

 たとえば米ドル建ての 4.30% という高い固定金利を利用して一時払いでお金を運用してみたとしましょう。 1ドル 120円のときに 10000ドルで運用するには 120万円必要です。これが 10年後には固定金利なので 180万円になります。ただしこれは 10年後も 1ドル 120円の場合であって 1ドル 100円になったらこれが 150万円になってしまいます。

 逆に 1ドル 140円になれば 210万円になるというわけです。ちなみに過去最高の円高は 79.75円でした。このケースの場合では 1ドル 79円という円高になったら全く利益がなくなります(裏を返せばこのケースの場合歴史的な円高にならない限り、利益は得られるということにもなりますが) 。

 このように損益分岐点がどこなのか、自分のふところ状態とも相談しながらめやすをたてることが必要です。そのほか、手数料が差し引かれたり、保険会社が破綻した場合のリスク(※)もあります。また月払いの場合、毎月の保険料も為替により変動します。

※保険会社が破綻した場合には、生命保険契約者保護機構の保護措置の対象になりますが、契約金額が削減されることがあります。

 このように見てみると、外貨建ての保険は、円ベースでみると高い固定金利の効果が期待できますが、為替によって受取時には元利金が変動する(月払いの場合は毎月保険料も変動する)ということになります。

 とはいえ、これからのお金の運用として、通貨分散も大事な方法の一つなのはたしかです。資源がなく輸入で経済が成り立っている日本はドルの動きで直に経済活動に大きな影響を受けます。ひいてはそれが家庭経済にも響いてくるのですから円だけでお金をもっていることも大きなリスクの一つです。
ドル建ての保険については必ずファイナンシャルプランナーに相談をしてじっくり資金計画をたてることが必要です。

 

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