■ マイホームと住宅ローン控除
だんだんと秋らしくなってくる今日この頃・・・今回もマイホーム購入について考えてみましょう。今回は平成20年で廃止される住宅ローン控除についてです。
住宅ローン控除とは、ひと言で言えば「減税」のこと。住宅ローンを利用して住宅を購入・新築・増改築などをした人で一定条件にあてはまっていたら、その年の年末のローン残高に応じて所得税の減税を受けることが出来る制度です。
税金から控除される金額は居住開始年によって違いがあります。居住開始年による控除は、下図の通りです。
居住年
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年末ローン残高の 限度額
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控除率
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最大控除額合計
(10年合計)
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平成18年居住分
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3000万円
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1〜7年目1.0%
⇒例:3000万円のローンがあれば30万円の控除
8〜10年目0.5%
⇒例:3000万円のローンがあれば15万円の控除
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255万円
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平成19年居住分
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2500万円
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1〜6年目1.0%
⇒例:2500万円のローンがあれば25万円の控除
7〜10年目0.5%
⇒例:2500万円のローンがあれば12.5万円の控除
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200万円
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平成20年居住分
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2000万円
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1〜6年目1.0%
⇒例:2000万円のローンがあれば20万円の控除
7〜10年目0.5%
⇒例:2000万円のローンがあれば10万円の控除
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160万円
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最大控除額だけを見比べたとき、ずいぶんと減税額が減らされているのに気づきます。
そのため、住宅ローン減税が終わる前に住宅を買ってしまおう!と考える人も多いのではないでしょうか。
ただし、数字だけにまどわされないで。減税というのは支払った所得税額以上に還付を受けられるわけではないことを頭に入れておきましょう。 たとえば計算上の控除額が30万円だったとしても、所得税額が10万円だったとすれば、住宅ローン控除によって還付される金額はあくまで10万円です。
例えば、平成18年居住で最大控除額に相当する255万円(10年間合計)の所得税還付を受けられるのは、平成27年まで毎年の住宅ローン年末残高が3000万円以上で、かつ毎年の所得税額が30万円以上(平成25年〜27年は15万円以上)の人だけ。
ということは、居住開始年の違いによってそれほど大きな差が出ないことも多いと考えられます。
さらに、下図の見てみましょう。
(1)頭金なし・
平成18年居住
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借入額
3500万円
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総返済額
5312万円
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最大控除額合計
250万7100円
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(2)頭金100万円・
平成19年居住
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借入額
3400万円
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総返済額
5160万円
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最大控除額
200万円
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(3)頭金200万円・
平成20年居住
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借入額
3200万円
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総返済額
4857万円
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最大控除額合計
160万円
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※金利3.0% 30年で借りた場合
1.住宅ローン控除が縮小される前に頭金なしで住宅購入した場合と 2、3のように頭金を準備しながら購入時期を遅らせた場合を比較してみます。この表から@ABの最大控除額合計の差よりも、頭金を入れて借入額を少なくした結果、総返済額が減った効果のほうがはるかに大きくなっています。
こうしてみると住宅を買い急ぐよりも、地道に頭金を貯める道の方がいいと考えられます。 結論。“家計から我が家の買いどき”を見極めましょう。