■ 投資型年金保険ってなに? part2 外貨建て年金保険
前回に続き、今回も投資的な年金保険について考えてみましょう。前回は変額年金保険でしたが、今回はもう一つの投資型年金保険・・・外貨建て年金保険についてです。
【外貨建て年金保険】
● 外貨建て年金保険とは・・・
円と比べて積立利率の高いドルやユーロなどの外貨で固定金利の複利運用される年金保険です。できるだけ据置期間を長くするほうが、高い利率で複利運用する効果と長期運用の相乗効果がはかれます。また外貨建ては為替リスクがあるのでできるだけ据置期間を長くして利益を生んでおいたほうが、為替変動に耐えらます。(最低でも5年以上、できれば10年以上据え置くほうが望ましいといえます。)また中途解約をすると解約控除や市場価格調整といった手数料がかかるので、やはり10年以上はおいておける余裕資金のある人に向いている商品です。
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外貨建て預金と比べると・・・
同じ外貨建ての預金商品と比べても、
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積立利率のよさ
A
税制面での優遇措置(据置期間5年以上の場合)
B
保険がついている、年金受取が可能
という利点がありますが、中途解約すると解約控除で元本割れしたり、市場価格調整で解約返戻金が変動するという短所があります。
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外貨MMFと比べると・・・
もしかして中途解約する可能性がある人や、資金をより多く増やしたい人ならば外貨MMFのほうが手数料も少ないためよいといえます。ただし外貨MMFは将来の受取金額が保証されていない点に注意が必要です。
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米ドル建て10年据置年金の例・・・
たとえば米ドル建て10年据置年金の積立利率が5.59%、1ドル123円だとします。
10000ドルを運用するには123万円必要ですが、固定金利なので10年後には10000ドルが15849.50ドルになります。為替レートが同じ場合には日本円で123万円が約190万円になるわけです。為替レートが円安になればさらに為替差益が生まれ、円高になれば為替差損となりますが、この場合の損益分岐点が1ドル=77.61円。(ただしこの計算には為替手数料を考慮していません。実際は円と外貨を交換する際は為替手数料がかかります)これ以上の円高にならない限り利益が生まれます。もしも円高になった場合は円の払い戻しを延長したり、外貨で受け取ってタイミングを見計らって円に払い戻したりという方法もあります。
「老後資金が心配だ」という人、投資型年金保険を考えてみるのも一つですね。