■ 気になる「サブプライムローン問題」
年明けから、経済ニュースはNY株価や国内株の下落が報道され、動向が懸念されていますね。
遠い話のようでも、ひいては給料や物価や年金など身近な生活に関わってくることなので気になるところです。
そもそもどうしてアメリカの株価ってそんなに大きくニュースになるのでしょう?
その背景はアメリカが日本やアジア、ヨーロッパ各国の商品をたくさん買っていることにあります。
アメリカの株が下がればアメリカの景気が悪くなり、海外の商品を買わなくなる恐れがある。商品が売れなくなれば、アメリカに輸出しているそれぞれの国の景気が悪くなる。だからアメリカの株が下がれば「自分の国の景気も悪くなるのでは?株の値段も下がるのでは?」と考えて、株を売る人(機関)が増え、世界中の株の値段が下がってしまう。そもそもこういう関係があるので、アメリカの株価は大きなニュースになるのです。
また、今回のアメリカの株価下落の背景にはサブプライムローン問題があります。(去年からよくニュースできいていると思いますが)サブプライムローンというのは、アメリカの収入が少ない人向けの住宅ローンのことです。
家を買いたいと思っても、通常は収入が低いとお金を貸してくれませんが、アメリカではローン会社が普通より金利を高くして収入の少ない人にもバンバン貸し付けていました。背景に、●アメリカが今までとても景気が良くて数年前から家を買う人がどんどん増えていたこと、●そのため住宅の値段がどんどん上がっていたことがあります。もし払えなくなったら家を売ればもうけも出るし借金返済もできる、と考えられていたからです。一方、ローン会社のほうでは、貸し手は収入の少ない人たちなので、やはり返済が心配・・・。
そこで「貸したお金を返してもらえる権利」を売ることにしてお金を集めていました。これを世界の機関(ファンド)が買っていったわけです。これは住宅の値段がどんどん上がっていけば心配ない話でしたが、アメリカではだんだん住宅の値段が上がりすぎて買う人がいなくなり、住宅の値段が一昨年から急に下がりはじめました。これを背景にサブプライムローンが問題視されたのです。
サブプライムローンを利用した人たちは、返済に困ったら家が高く売れないので借金が返せません。
世界の機関(ファンド)が持っている「お金を返してもらえる権利」もお金が入らなくなれば次々と損がでます。
さらにファンドにお金を預けている人(機関)たちが「心配だから解約したい」と申し出れば機関(ファンド)は持っている株を世界中で売ってお金に換えなければなりません。こうした懸念から急に株が売られ、日本も含めて世界中の株価が一斉に下がりました。
外国人の売買が全体の6割を占める日本市場も大きな影響を受けたわけです。
年初から株安のニュースで始まった今年1年はどういう年になるのでしょうか?
私たちの生活はやっぱり世の中の動きに左右されてしまいますが、極力自分たちでブレを少なくしたいものです。
家計も経済動向を注視して「攻め」と「守り」がポイント、ですね!