■ 環境はお金で買えない!
北海道洞爺湖サミットが始まりました。今回のサミットの主な議題のひとつが「環境」です。
昨年のドイツ・ハイリゲンダムでのサミットでは、いわゆる地球温暖化問題に関して、2050年までに世界全体の温室効果ガス(CO2など6種)の排出量を半減することについて、真剣に検討することが合意されました。
今年はより具体的な目標について合意することが期待されています。
このG8サミットはもともと経済について話し合われる場でしたが、80年代ごろからは政治問題、その後地球規模での社会問題が増えるにしたがって、紛争問題や環境問題などさまざまな問題についても話し合うようになりました。
今や、「経済」よりも「環境」が優先する…これは当然ではないでしょうか?
先日テレビ番組の中で、コメンテーターの方々が「今後、生活レベルがある程度下がることは覚悟しておかないといけない」というコメントをしておられました。
それでは、私たちの意識はどうなのでしょうか?
少し前になりますが、毎日新聞の全国世論調査では、京都議定書の温室効果ガス排出削減義務を守るため、自分の生活レベルを下げることができるかという質問に対し、49%が「できる」と答え、「できない」の41%を上回りました。
しかし、本当に生活レベルを下げなければ環境は守れないのでしょうか?
ガソリンが値上がりし、食料品が値上がりし、電気やガスも値上がりして、家計の負担はますます増え、環境を意識した節約が家庭レベルで必要となってきています。
その一方で、国内で年間廃棄される食料の量は2000万トンに迫っています。食料自給率が低いわが国で、なんともったいないことでしょうか!このことからも、生活レベルを下げなくても、まず無駄を省くだけで、十分環境問題に貢献することができるのではないかと思うのです。
また、新しい金融市場として「排出量取引」というものがあります。
国際的な排出量取引とは、京都議定書で温室効果ガス削減を義務付けられた先進国のうち、目標よりも多くを削減した国が、その余った分を他国に売却できる制度です。
一方、国内の排出量取引は、政府が自国内の企業に温室効果ガス削減を義務付け、その目標より多くを削減した企業が、余った枠を他の企業に売却する仕組みです。
しかし、新たな金融市場としてマネーゲームの場となってしまう懸念もあります。
環境は健康と同じで、お金では買えません。そろそろ物事を何でもお金で捉えることを止め、私たちの幸せな豊かな生活・人生のために、必要なものは何かをしっかりと見極めていきたいものです。