■ 自殺が多い国、日本。
“日本人の主な死因は、がん・脳卒中・心筋梗塞…いわゆる三大疾病である”というのはご存知のとおりです。しかし、意外と多いのが、「自殺」による死亡です。
●年齢別にみた主な死因状況(1位〜5位)
※事故=不慮の事故 がん=悪性新生物 脳疾患=脳血管疾患
(参考: 厚生労働省「平成17年人口動態統計概況」)
上記のとおり、若い世代はもちろんですが、60歳代でも高い順位に「自殺」が入っていることが分かります。
平成20年6月発表の警察庁統計資料によると、平成19年の自殺者数は33,093人(うち男性が23,478人で、全体の70.9%を占めている)で、前年よりも938人増加し、8年連続3万人を超えました。
これはかなりショッキングな状況です。命に重さがあるのかどうか分かりませんが、日本社会では国民が命を軽く扱っているのではないか…そんな数字です。
また、自殺の動機は、分かっている範囲で、1位が「健康問題」で14,684人、2位が「経済生活問題」で7,318人、3位が「家庭問題」で3,751人、4位が「勤務問題」で2,207人となっています。「健康問題」のウェイトが非常に高いことが分かります。その中でも、「病気の悩み(うつ病)」が一番多く、次に「病気の悩み(身体の病気)」となっています。
私は自殺を考えること自体が心の病なのだと思います。しかし、そこに行き着いていなくても、うつ病で苦しんでいる人がたくさん日本にはいることは事実です。これは個人の問題ではすまない、社会的な病であるように感じます。なぜなら、オギャー!とこの世に生まれたときから「うつ病」にかかっている赤ちゃんはいないからです。普通に日本の教育で成長いていくうちに、または普通に成人し社会に出て仕事をして生活をしていくうちに、「うつ病」になってしまうのです。日本社会のあり方をもう一度考え直してみる必要があるのではないでしょうか?
諸外国と比較しても自殺者数は多く「自殺大国」となってしまった日本…その“自殺大国ニッポン”から脱却し、国民が心身ともに健全に過ごせる社会をつくることが、日本のこれからの大きな課題だと思います。