■ 新しい住宅ローン控除
景気対策の1つとして、本来平成20年末で終了するはずであった住宅ローン控除が、新しく控除額を拡大し延長されました。これから住宅取得を予定されている方は確認しておきましょう。
住宅ローン控除は、適用期間が5年間(平成21年から平成25年)延長され、控除額は最高500万円に拡大されました。住宅ローンを組んで住宅取得等をし、適用期間内に居住した場合の控除期間や限度額および控除率は以下のとおりです。
居住年
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控除期間
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住宅借入金等の
年末残高の限度額
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控除率
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平成21年
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10年間
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5000万円(5000万円)
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1%(1.2%)
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平成22年
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10年間
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5000万円(5000万円)
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1%(1.2%)
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平成23年
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10年間
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4000万円(5000万円)
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1%(1.2%)
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平成24年
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10年間
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3000万円(4000万円)
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1%(1%)
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平成25年
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10年間
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2000万円(3000万円)
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1%(1%)
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※カッコ()内の数字は、認定長期優良住宅の一定の条件に該当した場合
たとえば、平成21年に入居し、年末のローン残高が10年間5000万円あれば、5000万円×1%×10年=500万円 で、最高額の500万円の控除を受けることができます。
また、認定長期優良住宅(いわゆる200年住宅)の控除額は最高600万円となっています。たとえば、平成21年に入居し、年末のローン残高が10年間5000万円あれば、5000万円×1.2%×10年=600万円 で、最高額の600万円の控除を受けることができます。
しかし、最高額の控除を受けるには、高額の住宅ローンを組むことになります。高い金利負担をして、控除を受けても、家計にとっては得策とは言えないでしょう。
たとえば、6200万円を金利3%で35年(420回)返済で借り入れれば、10年間5000万円の年末ローン残高が確保できます。ただし、その場合の返済額は毎月23万8608円、総返済額は1億21万5360円となり、金利負担は3821万5360円となります。それで住宅ローン控除を最高額の500万円受けられても…?。それより金利負担を少なくするように住宅ローンを組んだほうがよいでしょう。ちなみに金利負担を軽減するためには、当たり前ですが…借入金額は少なく、返済期間は短く、低金利で借りることです。
他にも、親(祖父母)からの住宅取得資金援助に対する贈与税の軽減など国の住宅取得促進策があります。しかし、そういったものに乗せられるのではなく、しっかりとライフプランを考えた上で、住宅取得計画を立てるようにしましょう。