■ 個人型確定拠出年金
今年のお正月はいかがでしたか?のんびりされた方、旅行に出かけられた方、それぞれ楽しく過ごすことができたかと思います。
お正月には親戚が集まっていろいろと話をした方もいらっしゃると思いますが、話題に上るのは、健康に関することや老後・年金に関することが多かったのではないでしょうか?
年金に関する興味も高まっている中、皆さんは確定拠出年金制度についてはご存知でしょうか?
確定拠出年金は自分の年金を自分で運用しながら将来に向けて作っていく制度で、税制面でもかなりメリットがあります。公的年金の上乗せとして、検討してみてはいかがでしょうか?
わが国の確定拠出年金(日本版401k、DC)には、企業型と個人型があります。
NPO401k教育協会の調べ(平成21年10月)によると、企業型の加入者数が334万人、実施事業主数が12200社で、個人型の加入者数が10万6730人で、個人型の加入者数が圧倒的に少ないことが分かります。
企業型は、お勤め先の企業がこの制度を導入していれば加入(強制加入と任意加入がある)できます。導入企業が増えれば、当然、企業型の加入者は増えていくことになり、結果、たくさんの方が企業型に加入しているわけです。
それに対して個人型は、基本的には個人の意思により加入するものです。ですから、自分が個人型の加入者となることができるかどうか認識している人が少ない現状では、加入者はなかなか増えません。まずは、加入できるかどうかを確認してみましょう。
個人型に加入できるのは以下のいずれかに該当する方です。
@日本国内に居住する20歳以上60歳未満の国民年金の第1号被保険者(つまり自営業者の方々など)
⇒ただし、農業者年金の被保険者、国民年金の保険料免除者は加入できません。
A60歳未満の厚生年金保険の被保険者(国民年金の第2号被保険者)
⇒ただし、厚生年金基金、確定給付企業年金、税制適格退職年金、企業型確定拠出年金等の実施事業所に勤務しその対象となっている人は加入できません。
なお、公務員や国民年金の第3号被保険者(いわゆる専業主婦で、サラリーマンや公務員の被扶養配偶者)は加入できません。
また、企業型加入者だった方が会社を中途退職して、個人型に移換する場合、手続きが必要ですので注意しておきましょう。(詳しくは勤務先の担当者、もしくは運営管理機関に確認してください)
個人型確定拠出年金の大きなメリットとして、税金面があります。
まず、毎月拠出する掛け金(限度額⇒第1号被保険者は68000円。ただし国民年金基金の掛金と合わせて68000円を限度とする。第2号被保険者は23000円。)は、小規模企業共済等掛金控除として全額所得控除となり、所得税・住民税が軽減されます。
そして、運用中の運用益は非課税です。ただし、積立金に特別法人税が課税されますが、現在は凍結中です。
さらに、受取については、一時金の場合は退職所得控除の対象で、年金の場合は公的年金等控除の対象となります。
しかし、この制度は60歳まで引き出すことができませんので注意してください。
また、自分で運用商品を選択し、運用していくことになりますので、ある程度の資産運用の知識も必要です。運用によっては増えることも減ることもあります。
さらに、個人型の場合、国民年金基金連合会や運営管理機関に支払う手数料もかかります。
詳しくは国民基金連合会のHP(http://www.npfa.or.jp/401K/index.html)や運営管理機関のHP(http://www.benefit401k.com/Morningstar/401k-PortabilityGuide/index.html)等を参考にしてください。
公的年金のみで十分な老後生活をおくるのは難しくなってきました。退職金も十分に見込めない方々は早めに、確定拠出年金制度など自分に合った有利な制度を活用して、老後の準備を始めておくことをおすすめします。