ファイナンシャルプランナーの役立つお話(介護事情のデータからみえること) | 保険の相談ならお任せください

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コラム
 

   介護事情のデータからみえること

 

「介護」なんてきくと他人事のように思うかもしれませんが、ライフプランを考える上で見逃すことができない話でもあるのです。厚生労働省の発表によると、現在、65歳以上の要介護(要支援)認定者数は年々増加していて、6.4人に1人(16%)は要介護(要支援)」という状況です。厚生労働省は将来推計として、2015年には19%(5.2人に1人)、2050年には30%(3.3人に1人)という数字を発表しています。このデータを見る限り、もはや誰もが介護に備える必要があるといえます。

また要介護や要支援になるに至った原因を見てみましょう

脳血管疾患(脳卒中など)、23.3%。認知症、14.0%。高齢による衰弱、13.6%。関節疾患(リウマチ等)、12.2%。骨折・転倒、9.3%。心臓病、4.3%。パーキンソン病、2.8%。糖尿病、2.7%。脊髄損傷、2.5%。呼吸器疾患(肺気腫・肺炎等)、2.1%。がん(悪性新生物)、1.8%。視覚・聴覚障害、1.5%。その他・不明・不詳、9.8%。

  要支援者を含む。

<厚生労働省「国民生活基礎調査の概況」/平成19年>

介護や支援が必要となった主な原因としては、脳卒中などの「脳血管疾患」が最も多く4分の1近くを占めています。次いで多いのが「認知症」、「高齢による衰弱」、「関節疾患(リウマチ等)」、「骨折・転倒」となっています。要介護や要支援の原因をみても、誰もがなりうるものと考えられますね。

 

自分自身が介護状態になることも心配ですが、親などの家族が介護状態になることも想定されます。

 

「親が介護状態になったら、施設があるからなんとかなるかな?」と思っているかもしれません。でも、厚生労働省の平成2112月発表の調査によると、特別養護老人ホームの待機者は全国で約421,000人もいて、なかなか入れないそうです。待機者のうち在宅で介護を受けながら空きを待っている人は199,000人(47.2%)。病院や老人保健施設(3か月をめどに在宅生活復帰をめざす施設)などの施設等に入院・入所しながら空きを待っているは223,000人(52.8%)。すごい数に驚きます。

また待機者を要介護度別に見ると、介護の必要度が高い要介護45の人が約179,000人で全体の42.4%。うち在宅で生活している人は約67,000人(16.0%)だそうです。かなり家族の負担が大きいものだと想像できます。

 

厚生労働省の平成19年の「国民生活基礎調査の概況」によると、在宅で介護をする場合の実際の介護時間をみると、1位「必要なときに手をかす程度」、2位「ほとんど終日」、3位「23時間程度」の順となっています。要介護度別にみると、要介護度が高くなるにつれ、「ほとんど終日」「半日程度」の割合が高くなり、介護度が最も重い「要介護5」の場合は「ほとんど終日」が52.7%となり、介護する人の負担はかなり重くなっています。

介護を理由に働き盛りの方が退職を迫られることも少なくありません。40代〜50代という、教育資金・住宅ローンも抱えている人生で一番経済的負担が大きい時期に、親の介護を理由に退職を考えなければならなくなるとしたら・・・?

 

最近も私の知人で定年を前に親の介護で早期退職された方がいました。それまで奥様だけに介護を負担させていたのですが、自分の親ということもあり、夫婦で介護にあたるために会社を辞めました。幸い子どもも巣立っていましたが、定年まであと数年というところでした。(かくいう私も2年前、親の介護で

1年間プチ休業しました・・・)

 

介護の問題はライフプランリスクの一つとして、認識しておく必要がありますね。経済的準備も必要です。よく言われる「老後資金準備の必要性」とは、普通に生活していくと想定しても、公的年金では不足額が出るところから算出しています。今みてきた介護のリスクまでは含まれていません。ただ、介護の問題は介護資金準備をしておけばいいというものではないところに、難しさがあるように感じます。

 

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