■介護と仕事の両立支援
平成22年6月30日から育児・休業法が改正となり、介護のための短期の休暇制度が創設されます。要介護状態の対象家族が1人いれば年5日、2人以上であれば年10日の休暇がとれます。ただし、従業員が100人以下の企業においては、改正法の施行は平成24年6月30日からとなります。
これまでの「介護休業制度」では、介護の対象となる家族1人につき、要介護状態ごとに1回(通算して93日まで)休業が認められていました。今回創設された「介護休暇制度」は、たとえば「要介護状態にある家族の通院の付き添いに行きたいのでその日は仕事を休みたい」というように1日単位で介護休業が認められる制度です。介護には通院等の付き添い、介護サービスの提供を受けるために必要な手続きの代行、その他、家事や買い物などの必要な世話が該当します。
平成16年厚生労働省の国民生活基礎調査で、誰が介護にあたっているかをみてみると要介護者等と同居している家族等が66.1%、別居している家族等が8.7%、事業者は13.6%となり、同居家族が介護しているケースが多くなっています。同居家族を性別にみると、男性は25.1%、女性は74.9%と女性が圧倒的に多くなっています。そして要介護者等と同居している介護者の介護時間をみると、要支援者、要介護1、要介護2では「必要な時に手をかす程度」が最も多くなっていますが、要介護3以上では「ほとんど終日」が最も多くなっています。
主な介護者と要介護者等との続柄及び同別居の構成割合(%)
要介護者等の要介護度別にみた同居している主な介護者の介護時間別構成割合(%)
平成16年厚生労働省 国民生活基礎調査の概況
介護は、その家族にとっては大きな問題でもあります。今回創設された短期の介護休暇を活用すれば男性もちょっと仕事を休んで病院の付き添いや家事や買い物など介護の手伝いをすることができます。また社会人になった子どもにちょっと仕事を休んでもらう、兄弟にもちょっと仕事をやすんでもらう、ということもできます。介護にあたっている人はこの制度を活用して他の人に少し手伝ってもらえるようになるといいですね。
ちなみに会社側は、継続勤務が6ケ月に満たない労働者でなければ、合理的理由がある場合を除いて、労働者から介護休暇の申し出があったら拒むことはできません。また介護休暇の申し出や取得を理由として解雇その他不利益な取扱をしてはならないことになっています。もしも会社の間で介護休暇の取得をめぐりトラブルが生じた場合、紛争を迅速に解決するためのしくみや法違反に対する公表制度なども設けられています。
仕事と家庭の両立を支援する事業主には両立支援レベルアップ助成金が支給されるプログラムもあります。
http://www.jiwe.or.jp/ryoritsu/01_assist.html
個人のライフワークバランスを考え、会社と個人がWIN―WINとなる、家族間でも介護を担っている人と他の人が協力する、いろんな制度を活用する、地域の連携をとる・・・など、少しでも介護者の肩の荷がおろせればいいなあと思います。