■ 健康寿命を延ばそう!
“健康寿命”という言葉をご存知でしょうか?
健康寿命とは、日常的に介護を必要としないで、自立した生活ができる生存期間のことで、2000年に世界保健機構(WHO)が公表した言葉です。平均寿命から自立した生活ができない期間を引いたものが健康寿命となります。
2004年のWHOの発表によると、日本人の健康寿命は男性が72歳、女性は78歳、全体では75歳で、世界第一位です。
しかし、日本人の平均寿命は男性が79歳、女性は86歳、男女平均では83歳です。男性が7年、女性は8年、自立した生活ができない(寝たきりなど)期間があることを意味します。
寝たきりにならず、健康寿命を延ばすためにどうすればよいのでしょうか?
国としての取り組みは、2000年から2012年に、すべての国民の健康の実現を目指し、厚生労働省が行ってきた国民健康づくり運動「健康日本21」というものがあります。これは生活習慣病を予防して健康寿命を延ばすことは個人の課題でもあるとともに社会全体の課題でもあることから、具体的な9つの分野について健康改善目標が設定されました。
9分野とは、
@ 栄養・食生活 ⇒ 食べる量・食べ方を見直す(脂肪エネルギー比率を下げる、塩分を控えめにする、野菜をしっかりとるなど)
A 身体活動・運動 ⇒ ウォーキングを取り入れるなど
B 休養・こころの健康づくり ⇒ 健康にいいストレス解消法を取り入れる(ギャンブルや飲酒、喫煙などではなく、体を動かす、おしゃべり、自然と親しむ、入浴するなどでストレスを解消しよう)
C たばこ ⇒ 百害あって一利なしのたばこ。禁煙するのに遅いはない。禁煙治療に健康保険が適用。
D アルコール ⇒ 飲みすぎやアルコール依存症に注意。お酒はカロリーが意外とある。
E 歯の健康 ⇒ 80歳になっても自分の歯を20本以上保つ。
F 糖尿病 ⇒ 糖尿病を予防するために運動・食事を見直す。血糖値が高めといわれたら健診を受け、保健指導を受けてそれを守る。
G 循環器病 ⇒ 日本人の死因のうち3割は脳卒中と心疾患。血圧が高めといわれたら、塩分を減らし、禁煙し、カリウムを多めにとり、標準体重をめざす。
H がん ⇒ 日本人の死因の第一位ががん。特に肺がん、大腸がん、乳がんが急増。禁煙し、野菜をしっかりとり、塩分・脂肪分は避け、運動し、定期的に検診を受ける。
です。詳しくはHP(http://www.kenkounippon21.gr.jp/index.html)参照してください。
もちろん、健康は個人の大きな課題でもあります。自分自身の健康寿命を延ばすために、日常的に継続してできることから始めることが大切です。ポイントは大きく3つあり、ひとつはカロリーコントロール、次に運動、そして前向きな考え方だといわれています。これらは簡単にできそうで、なかなか継続できないことでもありますが。とにかく、自分自身の生活習慣と向き合ってみることが大切です。
日本の国民医療費は34兆円を超えています。とくに高齢者の医療費は大きく、高齢者人口が増える今後は、ますます国民医療費は増大することが予測されます。しかし、国の財源確保も厳しい状況です。国民の健康寿命を延ばし、国民医療費の伸びを食い止めることも重要な国の政策なのです。
私たち国民一人一人も、自分の健康管理の意識を高め、生活習慣病の予防に努めていくことが大切ですね。健康で長生きを目指しましょう!