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コラム
 

■ 財形教育融資が廃止に

子どもを育てる親にとって、経済的に心配なことはやはり教育資金の準備でしょう。子どものためにはできるだけ良い教育環境を整えてあげたい、そのための費用はなるべく出してあげたい・・・と思うものです。子どもが小さいうちはそれほど経済的にも負担ではありませんが、大学や専門学校等の進学となると費用が嵩むので、できるだけ早いうちから準備をしておいたほうが負担は軽くなります。もしも貯蓄で足りないようであれば奨学金や教育ローンの利用という方法があります。

低利な公的ローンには日本政策金融公庫の「教育一般貸付」「郵貯貸付」と雇用・能力開発機構の「財形教育融資」があります。ところが、「財形教育融資」は独立行政法人雇用・能力開発機構の廃止にともない、平成23930日をもって廃止されます。「財形教育融資」とは、財形制度のある企業に勤めていて、一般、住宅、年金のいずれかの財形貯蓄を行っている人が利用できる公的な教育ローンで、その残高に応じて融資が受けられます。年収制限もないうえ、金利も低かったので、廃止されることで選択肢が一つ減るのは残念ですね。

平成23101日以降、財形教育融資の借入申込はできなくなるので、利用を検討している人は930日までに手続きを行う必要があります。ただし、財形教育融資制度の廃止に際して、借入申込が可能な資金にはいろいろと制約があります。以下の4要件をすべて満たすものとなっています。

●借入申込の時点(平成23930日まで)で、学校案内や納付書等の提出により、資金の内容、金額及び教育施設等への支払期限が確認できるもの。

●教育施設等への支払期限が平成241月末までであるもの。

●進学資金の場合は、平成2312月までに進学先が確定し、かつ金銭消費貸借契約締結等の融資実行に必要な手続きが完了するもの。

●借入申込時点で既に支払済みである資金の場合は、支払日が借入申込日から3カ月以内であるもの。

上記のように進学先の決定後でなければ融資は実行されず、融資実行期限が平成2312月までとなっている点に注意が必要です。そのため、たとえば平成241月に合格発表が予定されているケースなどでは、財形教育融資は利用できないことになります。来春の利用を考えていた人で、特に年収で国の教育ローンや奨学金が利用できない人は注意しましょう。

なお、財形教育融資の債権は、独立行政法人勤労者退職金共済機構に引き継がれるので、すでに融資を受けて返済中の人については、制度の廃止後もこれまでと同様に取扱金融機関へ返済します。詳しくは独立行政法人雇用・能力開発機構にお問合せください。

 

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