■ 純金積立ってなに?
円高、株式市場の低迷などの影響を受けて金の注目度が高まっています。金投資の中でも少額から始められるのが純金積立です。純金積立は、金投資の一つで、毎月一定の金額で金を継続して購入していきます。金の価格は毎日変わりますので、金価格が高い場合は購入できる金の量は少なく、金価格が安い場合は購入できる金の量は多くなります。これはドルコスト平均法と呼ばれる購入方法で、価格変動リスクを抑える方法です。純金積立の毎月の購入金額は、3,000円からとする取扱会社が多く、少額から始められます。
金投資のメリットはなんでしょうか?金はお金や株、債券と違い、金そのものに価値があります。これを現物資産といいます。金そのものに普遍的な価値があるため、暴落して価値が0になるという不安はあまりないと考えられます。お金や株、債券のように「信用」がなくなった途端に価値がなくなってしまうものとは違うのです。金は限りある希少な鉱物です。成長を続ける新興国の需要が高まっていますが、今のままのペースで金の採掘を続けると世界中に埋まっている金はおよそ30年で枯渇するといわれています。また、金の保有は資産の分散にもなります。金は、世界中どこでも同じ価値を持つ資産で、株式や債券などとは異なる値動きをします。お金はインフレ時には価値が下がりますが、金の価値はインフレに強い特徴があります。このため、資産の一部に金を組み込むことで、資産の防衛にもなり、価格変動リスクも抑えられます。
一方、デメリットとしては、利息がつかないことです。金は他の資産と違って、預金の利子や株式の配当のように、持っていることで利益を生み出すものではありません。また常に価格が変動するリスクがあります。金そのものの価格も日々変動しますが、ドル建てで国際取引されているため、為替レートの影響を受けます。ちなみに今は円高ですが、円高は金投資するには安く購入でき、有利であると考えられます。
純金積立は購入した金を取扱会社が無料で保管してくれます。保管のコストや手間を心配する必要はありませんが、買付金額1000円につき25円程度の売買手数料や年会費を支払う必要があります。
万一、純金積立の取扱販売会社が倒産してしまったら、どうなってしまうのでしょうか?純金積立には預金保険制度のような、預けている資産が保証や保全されるしくみはありませんが「特定保管」という保管方法があります。これは販売会社の資産である金と契約者が購入した金を分離して保管する方法で、これならそのような心配はありません。いっぽう純金積立には「消費寄託」という保管方法をする取扱会社もあります。「消費寄託」は、契約者が購入した金をリース市場で運用する保管方法です。購入した金を保管しておくだけの「特定保管」と比べると、購入した金を取扱会社が運用し、運用益を契約者へ「年間ボーナス」や「手数料を安く設定する」などのメリットで還元しています。この場合、取扱会社の資産と契約者の資産を分ける必要がないため、万一取扱会社が倒産した場合、購入した金が返ってこない、あるいは目減りする可能性があります。
金投資は資産分散の一つ。中でも純金積立は少額から始められますが、始める場合には、リスクやデメリットも十分に理解しておくことが必要ですね。