■ 平成24年の路線価
7月2日に国税庁から平成24年分の路線価図と評価倍率表が公表されました。
路線価図と評価倍率表は、相続税や贈与税を計算するときの、土地の課税価格を評価するための価額を表したもので、原則として毎年7月1日に公表されます。
公表されるのは1月1日時点の評価額なので東日本大震災の影響が反映された評価額の発表は今回が初めてとなります。
路線価とは、道路に面する標準的な土地の1u当たりの価額のことで、路線価が定められている地域の土地を評価する場合に用います。路線価の定められている土地の評価額は、路線価をその土地の形状などを考慮して奥行などの補正をした後に、その土地の面積を掛けて計算します。路線価は、基準となる標準地の路線価を、地価公示価格、売買事例価額、不動産鑑定士等による鑑定評価額、精通者意見価格などをもとに各国税局の局長が評価します。そして、標準地の路線価からその他の路線価を決めていきます。路線価は地価公示価格の概ね8割程度となっています。
路線価が定められていない地域については、その市区町村の「評価倍率表」から土地を評価します。これを倍率方式といいます。倍率方式における土地の評価額は、その土地の固定資産税評価額に一定の倍率を掛けて計算します。
パソコンから国税庁のホームページの「路線価図等の閲覧コーナー」にアクセスすれば、全国の過去3年分の路線価図等を見ることができます。
報道によると平成24年の標準地の平均変動率は前年比2.8%のマイナスとなり、4年連続の下落となりました。ただ、全体的に下落幅は縮小しているようです。(今年開業した東京スカイツリー周辺の地域など、一部の地域はスポット的に上昇しているようです)福島の原発事故周辺は評価が困難として路線価が示されず、「ゼロとして税務申告できる」とされています。都道府県庁所在地の最高路線価の変動率を見ると、前年より上昇したのは札幌と名古屋の2都市、横ばいだったのは金沢、津、大津、京都、大阪、奈良、福岡、那覇の8都市となっており、「西高東低」の傾向とのことです。
不動産取引にあたって、路線価も参考指標となります。例えば、対象土地と近隣の土地の価格との比較を行う場合に、それぞれの路線価を比較するとおおよその相場をつかむことができます。ただ、路線価はあくまでも課税価格を評価するためのものだということをふまえた上で、参考にしてみてください。
(国税庁HP)
「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」
http://www.rosenka.nta.go.jp/