■ 「もしも・・・」の時のためのノート
最近、書店で「エンディングノート」をよく見かけます。
「エンディングノート」とは、葬儀や延命治療の希望など人生の終末期に自身に生じる万一のことに備えて自身の希望を書き留めておくノートです。遺言などのように法的効力のある文書ではありませんが、家族の負担を減らすことを目的とされています。
実はこの「エンディングノート」、高齢者だけでなく30〜40代にも関心が広がっているらしく、若い世代向けのおしゃれなデザインのノートなどもあり、人気を集めているそうです。
東日本大震災以降、何があるかわからないことを体験し、「万一の時に家族に伝えることを書いておきたい」という人が、若い世代にも増えているようなのです。非常時の連絡先や医療、お金に関することなどのほか、大切な人へのメッセージや思い出の旅行先などを書くものもあります。ノートの構成はだいたい以下のような項目になっています。
・自分の履歴
(生年月日・学歴・経歴・過去住んだところなど )
・資産の情報
(銀行口座・ローン・カード・引き落とし先・保険・年金・株・不動産など)
・親族の情報
(続柄・住所・連絡先・冠婚葬祭の記録)
・友人の情報
(関係・住所・連絡先・冠婚葬祭の記録)
・介護・治療について
(告知・臓器提供・延命治療への要望)
・葬式の内容と墓についての要望
(葬儀の形態・宗派・予算・喪主、菩提寺)
・遺言的な内容(※法的効力はない)
・大切な人へのメッセージ
たとえば、コクヨからも若い世代にも活用できる「もしもの時に役立つノート」というものが発売されました。若い人でも気軽に書ける日常生活の備忘録のようなノートです。
参考 http://www.kokuyo.co.jp/com/press/2010/08/1068.html
このようなノートを作っておくメリットは以下のようなものがあります。
1 日常生活の備忘録として使える
もしも・・・のときの連絡先リストなどの情報を1つにまとめておくと便利です。
2 自分に万一のことがあったときも、家族が困らない
自分が倒れた時、判断能力がなくなった時、自分が死亡した後、「これはどうしたらいい?」「あれは、どこ?」と、家族が困る負担を軽くすることができます。
3 家族や知人に対する愛情や感謝を伝えることができる
なかなか口では伝えづらいメッセージでもノートを通じて伝えることができます。
私もオリジナルの「あんしんノート」を作っています。実際に書くと自分を見つめ直し、自分の身の回りを整理することもできます。
また大事なのは身近なことでも普段から家庭内のことを家族で共有することです。たとえば「自分が入院した時、まずどこに連絡してほしいか」「どこまで連絡してほしいか」夫婦でもお互いに情報を共有していないことが多いのではないでしょうか?妻が倒れた後、子どもが病気になったとして、夫は「子どものかかりつけ医」や「アレルギー」や「いつも飲んでいる薬」などについて知っているでしょうか?「家の大事なものはどこに置いてあるか」など普段から伝え合っておくと慌てずに済みます。
ただし、個人情報をたくさん記入することになりますので、管理には注意してくださいね。