■ 教育資金の一括贈与に係る非課税措置
平成25年度の税制改正により、相続税や贈与税の最高税率が平成27年から55%になるなど増税される予定ですが、一方で、教育資金の一括贈与については非課税枠が設けられました。
教育資金の一括贈与に係る非課税措置の概要は以下のとおりです。
受贈者(贈与を受ける人)
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30歳未満
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贈与者(贈与する人)
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受贈者の直系尊属(父母や祖父母など)
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贈与の目的
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受贈者の教育資金
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金銭の拠出方法
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金融機関への信託等
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拠出限度額
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受贈者1人につき1500万円まで(ただし、学校等以外の者に支払われる金銭については500万円が限度)
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拠出できる期間
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平成25年4月1日〜平成27年12月31日までに拠出されたものに限る
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また、この非課税措置を受けるためには、受贈者は教育資金非課税申告書を金融機関を経由して税務署に提出しなければなりません。
さらに、信託等から払い出した金銭を教育費の支払いに充当したことを証明する書類(領収書など)を金融機関に提出しなければなりません。
なお、受贈者が30歳に達した日に信託等に残額があるときは、その残額に対して贈与があったものとして贈与税が課せられるので注意しましょう。ただし、30歳に達する前に受贈者が死亡した時は、信託等に残額があっても贈与税は非課税になります。
教育資金の一括贈与については、これまでは贈与税の対象となっていましたが、そもそも父母や祖父母が教育資金を必要に応じてその都度負担する場合には、贈与税は課税されません。ですから、相続税がかかりそうなケース以外では特にメリットがあるわけではありません。
相続税がかかる人であれば、この非課税措置の適用範囲で一括贈与しておけば、贈与者が死亡しても相続税対象の資産とはならないので、メリットがあるでしょう。
相続対策については、この制度以外にも相続時精算課税制度などもありますから、税理士など専門家に相談して、状況に合わせた有効な対策を立てるようにしましょう。