■ ビジネス環境、日本は24位
世界銀行が、世界183の国と地域のビジネス環境を多角的に分析し報告した「ビジネス環境の現状」(2013年版)によると、日本は24位という結果でした。
皆さんは、この24位を高いと思いますか?低いと思いますか?
この調査は10の分野から行われます。以下はその分野と日本の順位(2012年版)です。
分野
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日本の順位
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新規事業の開始
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107位
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建設許可の取得
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63位
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電力受給
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26位
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不動産登記
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58位
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信用力
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24位
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投資家の保護
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17位
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徴税
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120位
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対外貿易
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16位
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契約の強制力
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34位
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破産処理
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1位
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「徴税」や「新規事業の開始」の分野が、日本のビジネス環境は比較的弱いと言えます。
報告書の中では日本の法人税の高さや、税処理手続の複雑さ、新規に事業を立ち上げる際の規制や複雑さが指摘されているようです。もっと法人税を下げ、手続きを簡素化し、規制を緩和しなければ、ビジネス環境は良くならないでしょう。
では、世界のランキングではどのような国々が上位を占めているのでしょうか?
2013年版のランキング
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国・地域
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1位
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シンガポール
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2位
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香港(中国)
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3位
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ニュージーランド
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4位
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アメリカ
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5位
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デンマーク
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6位
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ノルウェー
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7位
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イギリス
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8位
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韓国
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9位
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グルジア
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10位
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オーストラリア
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シンガポールは7年連続1位を獲得し、2位の香港、3位のニュージーランドも近年不動の順位となっています。
また、8位にランクインした韓国をはじめ、サウジアラビア、タイ、マレーシア、台湾などのアジアの新興国が近年順位を上げてきていて、これらの国々は日本よりも高いランクとなっています。
これに対して日本は、2008年は12位、2009年は13位、2010年は15位、2011年は18位、2012年が20位と、そして2013年は24位と徐々にランクを下げてきています。
日本は今、アベノミクスによって少し景気が上向きになってきています。しかし、このまま経済成長させるためには、アベノミクスの第3の矢である「成長戦略」を実現させる必要があります。その「成長戦略」を実現させるためには、日本のビジネス環境を他国に負けないような状況にすることも必要です。既得権を保持しようとする者からの抵抗に屈せず、規制の緩和を断固として進めること、これがやはり一番大変だけど、一番やらなくてはいけない点だと思います。
日本は経済的に豊かな国です。だからといって、もう経済成長しなくていいというわけではありません。私たちの子供や孫の世代のためにも、少しでも豊かな国にしていかなければならないと、そう思います。