■ 育児休業について
少子化問題を背景に、数年前から子育て支援の政策もかなり議論されるようになりました。子育て世代を応援する制度はいろいろなものがありますが、中でも育児休業の制度は充実していて頼りになる制度だと思います。
子どもを持たない間はそれらの制度に目がいかないでしょうが、いざ妊娠するとそれらの制度が気になり始め、詳しく調べることでしょう。そこで、今回は育児休業について簡単にまとめておきます。
育児介護休業法では、原則、1歳未満の子どもを養育する労働者は育児休業(以下、育休)を取得できると定めています。もちろん、男女とも対象とも対象となります。
では、パートタイム労働者の場合はどうでしょうか?
パートタイム労働者の場合、育休を取れる時もありますが、取れない時もあります。一定の要件を満たしていれば取得できます。主な要件は「今の会社で1年以上働いている」「子どもの1歳の誕生日以降も雇用が見込まれる」などです。子どもが1歳になる前に雇用契約が切れてしまう場合でも、過去に契約更新が繰り返しなされたなど継続雇用が期待される状況であれば対象となります。
また、父母がともに育休を取得する場合には、休業を取れる期間を延長する「パパ・ママ育休プラス」という制度もあります。この場合、子どもが1歳2ヶ月になるまでの間で、それぞれ1年間の休業が可能です。父母が同時に育休を取ることもできますし、父母が交代で育休を取ることもできます。さらに、育休は連続した期間1回の取得が原則ですが、父親が産後8週間以内に育休を取得した場合、再度育休を、再度の休業期間もあわせて1年を超えない範囲で、取得できます。
なお、子育てに専念できる配偶者がいる場合、つまり妻が専業主婦の夫(夫が専業主夫の妻)も、対象外とする労使協定が禁止となっているので、育休を取得することができます。
また、保育園に入れないなど特別の事情がある場合は、1歳6ヶ月になるまで育休を延長できます。
育児介護休業法には他にも以下のような制度があります。
短時間勤務制度
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子どもが3歳になるまで。雇用主に導入義務。
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看護休暇
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子どもが小学校入学前まで。本人が申し出れば、子どもが1人の場合は年5日、2人以上の場合は年10日まで認められる。
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時間外労働の制限
深夜業の制限
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子どもが小学校入学前まで。
本人が請求すれば、1ヶ月24時間、1年150時間を超える時間外労働をさせてはならない。
本人が請求すれば、深夜(午後10時から午前5時まで)に労働させてはならない。
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上記以外にも、不利益取り扱いの禁止や転勤についての配慮などもあります。なお、育休取得などで困った場合は、各都道府県にある労働局雇用均等室に相談しましょう。
もちろん、育児休業して無給になった場合でも、育児休業給付などの所得補償や、社会保険料の免除などの経済的支援があります。
育児休業制度を活用して、ご夫婦で協力して、貴重な子育て期間を楽しんでくださいね。