■ 社会保険の見直し
新年度がスタートしました。新しい年度を迎えると、いろいろな制度も変わりますね。私たちの生活にとっては、消費税が8%になったことが、一番影響が大きいでしょう。
しかし、それ以外にも、私たちの生活にとって重要な社会保険の部分でも見直しがありましたので、ご紹介しておきます。
●平成26年度の年金額 ⇒ 0.7%の引き下げ
現行の年金額は本来の年金額より高い水準で支払われているので、それを段階的に本来の年金額水準に近づけています。その段階的な解消と、本来の年金額改定ルールに沿った上昇率を合わせて、0.7%引き下げの改定が行われました。受給者の年金額が変わるのは、4月分の年金が支払われる6月からです。
|
平成25年10月〜
|
平成26年度
|
国民年金
老齢基礎年金(満額:月額)
|
64,875円
|
64,400円
|
●国民年金の保険料
自営業者等の方が納める平成26年度の国民年金保険料は、210円の引き上げとなり、15,250円(月額)となっています。
ちなみに、会社員の厚生年金保険料率は、毎年9月に引き上げられ、平成26年4月現在は、保険料率17.120%です。
●健康保険・介護保険
会社員の方の健康保険ですが、協会けんぽの場合、平成26年度の健康保険料率は昨年度のまま据え置きです。しかし、介護保険料率は3月分(4月納付)より、1.55%から1.72%へ引き上げられました。
なお、自営業者等の方が加入する国民健康保険料や介護保険料は、お住まいの自治体によって異なりますので、ご確認ください。
●70歳になる方の医療費の窓口負担 ⇒ 2割
70歳から74歳までの方が病院の窓口で支払う一部負担金の割合は、特例措置により軽減されて1割となっていましたが、それが見直され、平成26年4月に新たに70歳になる方から、段階的に2割負担となっていきます。
平成26年3月末までにすでに70歳に達している方は、1割負担が継続されます。
消費税が上がり、その増えた税金分は全て社会保障に当てるとのことです。それでも、高齢社会がどんどん進む日本では、このままの社会保険制度では現状も足りないし、この先はもっと足りなくなるでしょう。給付が下がり、負担が増える傾向は、この先もずっと続きそうです。
とにかく、最低限の社会保険制度は必要です。その最低限の社会保険制度をずっと維持するために、もっと思い切った制度改革が必要なのではないでしょうか。
そして、私たち自身も、年金や健康保険・介護保険などの社会保険制度に頼りすぎず、健康に長生きをするよう努めなければならないと思います。