■ 子供への家庭での金銭教育について
子供を持つと、それ以前には全く読まなかった本に興味が湧くようになるものですね。
私は少し前に「12歳で100万円ためました!」という10年ほど前に出版された本を読みました。べつに自分の子供にお金を貯めて欲しいわけでも、お金持ちになって欲しいわけでもありませんが、「“本当のお金持ち”になった女の子のお話」というサブタイトルに惹きつけられたのです。
本当のお金持ちってなんだろう??
本の内容は、簡単に説明すると…、
韓国のごく一般的な家庭の女の子が12歳で100万円(1000万ウォン)貯めるまでの本当の話を童話化したもので、幼稚園に通っている主人公の女の子が赤いうさぎの貯金箱と出会って、お金に興味を持ち、そのうさぎとの会話や、働いているお母さんとのやり取りなどを通して、お金を管理する方法を学び、さらに試行錯誤しながら自分で工夫して独自のビジネスを生み出し、お金を貯めていくお話です。
子供にいつどういうふうにお金の教育をすればいいのか…悩んでいるお母さんが多いのではないでしょうか。幼稚園から?小学校に入ってから?中学生になってから?高校生になってから??と思っているうちに大学生、そして社会人になってしまい、結局、家庭での金銭教育なしに育ってしまって、お金の管理に苦労する大人になってしまうのでは…と。そんなお母さんお父さんには、ぜひ一度読んでみて欲しい本です。
主人公の女の子が、お父さんお母さんが一生懸命働いて稼いだ、そのお金の大切さに気づき、積極的にお手伝いをするようになったり、モノを大切にするようになったり、お金を使うときも大切に使うようになったり、お金がお金を稼ぐ仕組みを理解したり、自分でフリーマーケットのビジネスを始めたり、結果、時間の大切さに気づき、時間の管理もできるようになったり…そして、「お金持ちになりたければ、まずお金を好きになってみてください。だけど、きれいなお金を好きにならなくてはいけません。」と主人公の女の子がいうように、お金にはきれいなお金と汚いお金があって、汚い方法で得た汚いお金に欲を出せば、あとで痛い目にあうということ。お金に支配される人間ではなく、お金を「道具」としてちゃんと使える人間になることが大切だということ。そういうことを子供には小さいうちから教えていきたいと、この本を読んで、そう思いました。本当のお金持ちとは、そういう大切なことに気づき、きれいなお金を好きになって、お金を上手に貯めて上手に使うことができる人のことなのですね。
この社会で生活する以上、お金とはずっと付き合っていくことになります。しっかりした経済観念は大人になるのに必要なことだと思います。お金に振り回されることなく人生を楽しんでくれるよう親としてできることを子供に教えていきたいものですね。そのためには、ある程度わかるようになったら早めにお金の話は子供にしていったほうがいいのではないでしょうか。
主人公の女の子のお母さんが、経済教育をやってみよういう母親たちへのメッセージとして、次のように言っています。「何よりも母親と子子供が一緒になって実践していくことが一番大切です。言うのは簡単ですが、多くの母親がこのことを忘れてしまいます。母親は子供の鏡なのです。」と。本の中で、お母さんが自分の収入の1%を寄付していることが紹介されています。それを聞いた主人公の女の子も収入の1%を寄付するようになります。収入が多いからというのではなく、恵まれている人がそうでない人を助けるのは当たり前のことで、自分より大変な人にお金を分けることが寄付という方法でできることを、このお母さんは子供に教えています。私もこの本を読んで、何もしていないことがなんだか恥ずかしくなり、1%の寄付を始めました。これは上手なお金の使い方だと思います。