■ 未婚率が上昇!未婚化が進む日本社会
「生涯未婚率」という言葉をご存知ですか?
生涯未婚率とは、「45〜49歳」と「50〜54歳」未婚率の平均値から、「50歳時」の未婚率(結婚したことがない人の割合)を算出したものです。生涯を通して未婚である人の割合を示すものではありませんが、50歳で未婚の人は将来的にも結婚する予定がないと推測し、生涯独身でいる人がどのくらいいるかを示す統計指標として使われています。
現在は50歳を超えてから結婚する、いわゆる「熟年カップル」も増えているので、この生涯未婚率と実際の割合とはズレが出てきていると考えられますが、それでも生涯未婚率の上昇が日本社会の抱えている少子化問題の直接的な原因になっていることは確かです。
さて、下記の表は国立社会保障・人口問題研究所の「人口統計資料集(2013年)」による性別生涯未婚率です。それによると、2010年の生涯未婚率は男性が20.14%、女性は10.61%でした。特に男性の未婚率が大きく上昇しています。
年次
|
男性
|
女性
|
1965年
|
1.50%
|
2.53%
|
1970年
|
1.70%
|
3.34%
|
1975年
|
2.12%
|
4.32%
|
1980年
|
2.60%
|
4.45%
|
1985年
|
3.89%
|
4.32%
|
1990年
|
5.57%
|
4.33%
|
1995年
|
8.99%
|
5.10%
|
2000年
|
12.57%
|
5.82%
|
2005年
|
15.96%
|
7.25%
|
2010年
|
20.14%
|
10.61%
|
また、年齢階級別未婚率(総務省「国勢調査」平成22年)は下記のように推移しています。
年次
|
男性
|
女性
|
25〜29歳
|
30〜34歳
|
35〜39歳
|
25〜29歳
|
30〜34歳
|
35〜39歳
|
1970年
|
46.5
|
11.7
|
4.7
|
18.1
|
7.2
|
5.8
|
1975年
|
48.3
|
14.3
|
6.1
|
20.9
|
7.7
|
5.3
|
1980年
|
55.2
|
21.5
|
8.5
|
24.0
|
9.1
|
5.5
|
1985年
|
60.6
|
28.2
|
14.2
|
30.6
|
10.4
|
6.6
|
1990年
|
65.1
|
32.8
|
19.1
|
40.4
|
13.9
|
7.5
|
1995年
|
67.4
|
37.5
|
22.7
|
48.2
|
19.7
|
10.1
|
2000年
|
69.4
|
42.9
|
26.2
|
54.0
|
26.6
|
13.9
|
2005年
|
71.4
|
47.1
|
31.2
|
59.1
|
32.0
|
18.7
|
2010年
|
71.8
|
47.3
|
35.6
|
60.3
|
34.5
|
23.1
|
(単位 %)
この表をみても、未婚化や晩婚化が進んでいることがわかります。35〜39歳の層では、1970年は男性の未婚率は4.7%、女性の未婚率は5.8%でした。それが2010年には男性31.2%、女性18.7%にまで上昇しています。つまり、結婚しない人が増加していて、結婚している人も40歳以上での結婚が増えていて、この二つの要因で少子化が急激に進んでいるのです。
20代や30代の若い人たちが結婚し、子どもを持つことを選択しやすい社会にしていくにはどうしたらいいのか、国の政策だけに頼らず、地域で、町で、そして家庭で、私たち一人ひとりが考えていかなければならないと感じます。「家族」というものの楽しさ、素晴らしさ、温かさ、豊かさ…等のその魅力を、日々の生活の中で、どう子供たちに伝えていくのか、親である大人の役目だと思います。私個人もFPとして、人生の豊かさは金銭的な豊かさなんかではないことを気付いてもらえるアドバイスを心がけたいと思います。