■ NISA制度の一部改正と今後
昨年1月からスタートしたNISA制度(少額投資非課税制度)。早くも今年1月より、一部制度改正が行われました。
改正点は以下の2つです。
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改正前
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改正後(2015年1月1日以降)
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NISA口座で取引を行う金融機関等の変更
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同一の勘定設定期間(※1)内には変更できない
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所定の手続きを行うことで1年毎に異なる金融機関等に変更できる(※2)
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NISA口座の再開設
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同一の勘定設定期間(※1)内には再開設できない
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所定の手続きを行うことで再開設できる(※2)
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※1 勘定設定期間は以下の3つの期間に分けられます。
@2014年〜2017年の4年間
A2018年〜2021年の4年間
B2022年〜2023年の2年間
※2 ただし、金融機関等を変更する年(または再開設する年)にすでにNISA口座で買付けを行っていた場合、その年分については変更(または再開設)できませんので、注意してください。
口座変更の一般的な手続きは、@現在NISA口座を開いている金融機関に「金融商品取引業者等変更届出書」を提出し「非課税管理勘定廃止通知書」を送付してもらう⇒A新たにNISA口座を開設する金融機関に「非課税口座開設届出書」と@で受け取った「非課税管理勘定廃止通知書」を提出する⇒B新たにNISA口座を開設する金融機関が税務署への申請などを行い、NISA口座開設完了の連絡が来たらOK!という流れです。詳細は新たに口座を開設する金融機関にお問い合わせください。
この改正により、今後は毎年、NISA口座を開く金融機関を選択し直すことができるようになります。
では、どういう人が金融機関を変更するのかというと…たとえば、銀行でNISA口座を開いたが、今年は株式に投資したいので、証券会社に変更したいとか、現状NISA口座のある金融機関では扱っていない商品を購入したい場合に、変更を検討することになるでしょう。
変更した場合のデメリットはというと、手続きの手間が必要なことと、変更するのに少し時間がかかるため、投資の機会をのがす可能性があることでしょう。
なお、NISA口座を選択し直した場合、前のNISA口座の残高はどうなるかというと、そのまま残すことができます。たとえば、2014年はA銀行のNISA口座で80万円分の非課税枠を使用し、2015年はB証券でNISA口座を開いた場合でも、2014年に投資した80万円はA銀行で保有し続けられます。新しくNISA口座を開いたB証券に移管することはできないので、注意してください。
さらに、今後のNISA制度で注目しておきたいのが、「子どもNISAの創設」です。現在、20未満の人のNISA口座は開設できません。「子どもNISAの創設」は現在検討中で、2016年より始まる見込みです。利用対象者は日本在住の0〜19歳で、非課税の適用を受けるためには原則18歳までは引き出せない仕組みになりそうですが、内容等はあらためて確認しましょう。
子どもNISAの口座の管理は、実質的には親世代が行うことになります。親自身のNISA口座にプラスして子ども名義のNISA口座も非課税で運用できるようになるので、魅力的です。贈与は年間110万円の基礎控除があるので、その範囲であれば贈与税も非課税です。上手に活用すれば相続対策等にも有効ですね。