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コラム
 

■ 結婚・出産・子育て資金の一括贈与制度

 

平成27年税制改正には、金融資産を持っている高齢者から、資金を必要としている若者世代へその資金を移し、経済の活性化や少子化の解消につなげようという税制優遇制度が盛り沢山です。教育資金の一括贈与制度の延長・拡大、結婚・出産・子育て資金の一括贈与の創設、住宅取得資金贈与の非課税枠の拡大、子ども版NISA(ジュニアNISA)の創設があります。

今回はその中の「結婚・出産・子育て資金の一括贈与」制度について見てみましょう。

 

 

 この制度は祖父母や両親などの直系尊属から、「結婚」「出産」「子育て」にかかる費用を一括で贈与してもらった場合の贈与税非課税制度で、非課税で一括贈与できる上限は1,000万円です。

 

贈与者(あげる人)

祖父母・父母などの直系尊属

受贈者(もらう人)

子供・孫・ひ孫などの20歳以上50歳未満の直系卑属

金額

1人1,000万円までの贈与が非課税

使い道

結婚(結婚式・披露宴・新居の家賃・引越代など)

出産(不妊治療も含む妊娠・出産費用)

子育て(ベビーシッター代、医療費、保育料など)

期限

201541日〜20193月末まで

その他

教育資金の贈与と同様、銀行などの金融機関に口座を開設し、贈与する金額を預けて、領収書等を提出して、必要な時に引き出す。

 

【注意して欲しい点】 

●受贈者が50歳に達した場合や死亡した場合に契約は終了となる。

⇒その場合、契約が終了したときに残高があると、その終了事由に該当した日にその残高の贈与があったものとして受贈者に贈与税を課税する。

 つまり、1,000万円を預けていて、50歳になった時点で使い切れずに残高があるときには、50歳時点で贈与があったものとして税金が計算されるということです。

 

●契約期間中に贈与者が死亡した場合、その時点の残高ついては、受贈者が贈与者から相続または遺贈により取得したものとみなして、贈与者の死亡にかかる相続税の課税価格に加算する。この場合、その残高に対応する相続税額については、2割加算の対象とはしない。

 

 

 この制度は、子や孫が結婚し、子どもを授かることを前提にしたものですが、そもそも結婚するのかどうかも分からない時代です。子や孫のライフプランについて事前に検討・確認する必要がありそうですね。

また、一般的に結婚などにかかる費用を親が支払っても、原則、贈与税は課税されません。結婚や出産など、その都度、資金を贈与することもできます。この「結婚・出産・子育て資金の一括贈与」の制度ができたからと言って、相続対策にとすぐに活用するのではなく、ご自身とご家族の状況などを踏まえて、どういった贈与の方法がいいのかじっくり考えてみてください。

 

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