■ 4月から介護保険が変わります
2014年6月に「医療介護総合確保推進法」が成立しました。医療・介護の横断的な見直しにより、持続可能な社会保障制度の確立が図られます。これにともなって介護保険法も改正されます。4月からの改正点は以下のとおりです。
●所得の低い人は介護保険料が軽減
65歳以上の高齢者が支払う介護保険料は市町村によって異なります。もともと所得が低い人は保険料が軽減される仕組みになっていますが、世帯全員の市町村民税が非課税か、本人が非課税である人は軽減が拡大されます。
●高額介護サービス費の自己負担額が引き上げに
高額介護サービス費とは、介護サービスを利用して支払った自己負担額が1カ月の上限額を超えた場合、申請によって超えた額が戻ってくる制度です。現在、一般的な所得水準にある世帯の自己負担限度額は月3万7200円ですが、今回の改正では新たに所得区分が追加され、現役並みの所得がある場合、自己負担額が4万4400円まで引き上げられます。一方、所得が低い人は段階的に負担が軽減されます。
●特別養護老人ホームの入所は要介護3以上
特別養護老人ホームは人気が高く、入居希望者は常に空き待ち状態となっています。現在の基準では、入居者の介護度は「要介護1〜5」となっていますが4月からは、基本的に「要介護3以上」に変更されます。すでに入居している方は対象外です。
●介護予防給付から通所介護と訪問介護サービスが除外
現在、要支援1、2の人が利用している通所介護や訪問介護サービスが4月から介護保険給付の対象外になります。通所介護サービスは、施設に通ってレクリエーションを楽しんだり、機能回復の訓練を行ったり、入浴の介助など。訪問介護サービスは、ヘルパーが自宅で入浴のサポートや掃除・料理などを手助けするものです。これまでは国が担っていた全国一律のサービスでしたが今後は各自治体に移行され、各自治体によりサービス内容や利用料に違いがでてきます。各自治体によるサービスは2015年4月から3年以内に構築されることになっています。
今後は少子高齢化を背景に大介護時代に入っていきます。経済的備えだけでなく介護に詳しい専門家や人脈を作って情報を得られるようにしておくことも大事ですね。