■ 家計の金融資産保有状況
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査【二人以上世帯調査】平成27年調査結果」によると、金融資産の保有額は、平均値が1,209万円、中央値(※1)は400万円でした。前年と比較すると、平均値は少し増加しました。
(※1)ここでいう中央値とは、調査対象世帯を保有額の少ない順に並べたとき、真ん中に位置する世帯の金融資産保有額のこと。
金融商品別の構成比をみると、預貯金が53.2%、有価証券(債券・株式・投資信託)が17.7%、生命保険は16.9%でした。内訳は下記の表の通りです。
【家計の金融資産保有状況】2015年
しかし、上記の金融資産保有状況のデータは、金融資産非保有世帯(保有額=0万円とみなす世帯)も含まれています。「金融資産を保有していない」と回答した世帯は全体の30.9%で、その保有していない世帯も含めて、平均額が1,209万円となっています。それで、全体の約7割が平均値(1,209万円)よりも保有額が少ないという結果になっています。つまり、平均値(1,209万円)より少なくても、中央値(400万円)より多ければ、全体の世帯を金融資産保有額の少ない順に並べてちょうど半分に分けた場合、金融資産保有額が多い方のグループに入るわけです。
では、「金融資産を保有していない」と回答した世帯を除いてみたらどうでしょう。金融資産保有世帯の金融資産保有額は、平均値は1,819万円、中央値は1,000万円でした。
平均値は前年の1,753万円から少し増加しました。
金融資産の内訳では預貯金のウエイトが高く、次に有価証券、生命保険となっています。前年と比較すると、預貯金と有価証券の割合が少し増え、生命保険の割合が少し減った結果でした。
また、金融資産の保有目的は、「老後の生活資金」が66.5%と最も高く、次に「病気や不時の災害への備え」が63.7%という結果でした。やはり、年金だけでは老後が不安だと感じている世帯が多いようですね。
金融資産保有額、つまり家計の貯蓄は、平均より多ければ良いとか少ないとダメとかいうことではありません。それぞれの家族で、しっかりライフプランを立て、キャッシュフローを分析し、必要な金額を必要な時に準備できるように貯蓄も計画的にするようにしましょう。でも、あまり将来のことをくよくよ考えすぎず、今の生活を大事にしつつ、出来る範囲で将来にも備えていただきたいと思います。