■ 運転免許証の自主返納制度
「最近、車の運転に自信がなくなってきてきた」「家族からもそろそろ運転を辞めるようにすすめられている」「親の車の運転が心配・・・」なんてことはありませんか?
加齢に伴って身体機能や判断能力が低下してきて「もう車の運転はしない」という人が運転免許証を返納できる制度が「運転免許証の自主返納制度」です。「申請取消」とも言われます。
「もう車にはあまり乗らないけど、免許証を返しちゃうと身分証明書として使えない」なんて思う人もいるかもしれません。運転免許証を返納する手続きの際、希望すれば「運転経歴証明書」というものを発行してもらえます。この「運転経歴証明書」が身分証明書のかわりになります。さらにこの「運転経歴証明書」を持っていると、いろいろな特典が受けられるメリットがあります。
たとえばお住まいの市町村でバスやタクシーの回数券がもらえたり、公共交通機関を
利用する際の割引がうけられたりするところもあります。そのほか、飲食店や温泉施設を利用したときや電動カートや補聴器を購入したとき、新しく免許を取る人を紹介したときなどに割引がうけられる等のメリットがあります。
このような自主返納をした人を支援する団体は全国的に増えていて、全国の「運転経歴証明書」の交付を受けている人を特典の対象にするところも多くあります。それにより「運転経歴証明書」を持っていると県外の文化施設、飲食店等でも割引がうけられたり、デパート等で買い物をしたら配送料が無料になったり、さまざまな特典があります。
詳しくはお住まいの県や市町村、警視庁等のホームページで確認してください。
この「運転経歴証明書」は無期限で使えます。紛失してしまったら再交付もできます。
ただ、免許証の自主返納の手続きは代理人でなく本人しか行えませんので注意してください。また車に乗らないから・・・といって更新しないで失効してしまった免許証は対象になりません。
免許証がないとマイカーで好きなところに行ける楽しみを失い、生きがいまで失ってしまいそう・・・なんて心配される方も多いと思いますが、最近では上記のように公共交通機関の割引や様々な特典が増えつつあります。
背景に超高齢社会により認知症高齢者の対応が深刻な問題になっているのです。
平成24年の厚生労働省のデータによると全国の65歳以上の高齢者のうち、4人に1人はすでに認知症か認知症予備軍(MCI)なのだそうです。最近では高齢ドライバーによる痛ましい事故のニュースを耳にすることも多くなってきていますね。
自主返納についてご家族とともに考えてみませんか?