■ 2017年1月から始まったセルフメディケーション税制
セルフメディケーション税制は医療費控除の特例として2017年1月からスタートした制度です。健康の維持増進や疾病の予防への取組を推進するためのものです。
従来からある医療費控除は、1年間に支払った医療費の合計が「10万円と総所得金額の5％相当額のいずれか低い方の金額」を超えた場合、超えた額が所得から控除されて税金が還付・減額されるというものです。医療費がたくさんかかった人は税金の計算上、考慮してあげましょう、というものです。出産で医療費がかかった年などに活用した人も多いのではないでしょうか。
でも健康ならばこの制度を利用できるほど医療費を支払っていないことも多く、医療費控除は活用する機会も少ないものでした。
健康な人でも、健康の維持のために医薬品を購入している人もいるでしょう。そのような人でも、一定の条件を満たせば税金が還付・減額される制度が2017年1月から始まりました。自分自身の健康管理を心がけること（セルフケア）を国として推進しようとするものです。
一定の条件とは、平成29年１月１日以降に特定の成分を含むスイッチOTC医薬品を1年間に12,000円以上購入し、更にその年に健康診断などの一定の健康への取り組みを行うことです。
OTCとは英語の「Over The Counter：オーバー・ザ・カウンター」の略で、カウンター越しにお薬を販売する形態のこと。
スイッチOTC医薬品とは薬局・薬店・ドラッグストアなどで販売されている一定の成分が含まれている医薬品のことです。たとえば風邪薬、胃腸薬、鼻炎用内服薬、水虫・たむし用薬、肩こり、腰痛等の貼付薬などです。
この制度は自分だけでなく生計を一にする配偶者は親族に支払った金額も対象で、上限は8万8,000円までです。そして、一定の取り組みを行うことが条件ですが、一定の取り組みとは健康診断や予防接種、がん検診などのことです。
セルフメディケーション税制は医療費控除の特例であり、平成33年12月31日までの制度です。また従来の医療費控除との選択適用となるので、いずれか一方を選択して適用を受けることになります。
新しくできたこの制度、上手に活用したいですね。
参考：厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000124853.html
