■ 後期高齢者医療制度について
平成20年4月から「老人保健制度」が廃止され、その代わりに始まったのが「後期高齢者医療制度」です。
この後期高齢者医療制度は75歳以上(一定の障害のある人は65歳以上)の人が加入する制度です。医療機関窓口における負担割合は、原則1割で、現役並みの所得のある人は3割です。
【窓口負担】
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窓口負担
(外来・入院)
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自己負担限度額(H29.8〜H30.7)
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外来(個人ごと)
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入院・外来(世帯ごと)
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現役並み所得者※1
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3割
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57,600円
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80,100円+(医療費-267000円)×1%
(※3 44,400円)
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一般
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1割
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14,000円
(年間上限144,000円)
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57,600円
(※3 44,400円)
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低所得者
※2
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U
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8,000円
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24,600円
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T
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15,000円
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※1現役並み所得者とは、収入額が以下の基準額を超える人。ただし、被保険者本人と70歳以上の家族の収入合計額が以下の基準に満たない場合には申請すると2割の負担になる。
収入基準:単身世帯の場合は年収383万円、夫婦2人世帯の場合は年収520万円
※2低所得者とは、住民税非課税者で、そのうち低所得者Tは収入が年金のみで、単身世帯の場合⇒年収約80万円未満、夫婦2人世帯の場合⇒年収約130万円未満。それ以外の人は、低所得者U(130万円超〜267万円未満)となります。
※3多数該当(過去12ヵ月に3回以上高額療養費の支給を受けた)の場合(4か月目以降)
この制度の運営は、各都道府県の後期高齢者医療広域連合が行っており、保険料率は都道府県によって異なります。保険料は、後期高齢者ひとり一人が、原則年金からの天引きで納めます。保険料は、所得に応じて負担する「所得割」と被保険者が均等に負担する「均等割」の合計です。保険料は広域連合ごとに決められますので、詳しくはお住いの各都道府県広域連合や市区町村の窓口でご確認ください。
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所得割
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均等割
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平成28・29年度全国平均保険料
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9.90%
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45,289円
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世帯の所得が一定以下の場合には、均等割の保険料を7割・5割・2割軽減します。
均等割の
軽減割合
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対象者の所得要件(平成29年度)
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年金収入額の例
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夫婦2人世帯※
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単身世帯
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7割軽減
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33万円以下
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168万円以下
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168万円以下
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5割軽減
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33万円+27万円×(被保険者数) 以下
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222万円以下
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195万円以下
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2割軽減
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33万円+49万円×(被保険者数) 以下
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266万円以下
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217万円以下
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※夫婦2人世帯で妻の年金収入80万円以下の場合における、夫の年金収入額。
この後期高齢者医療制度は、老後生活を安心して過ごすために欠かすことのできない制度です。しかし、国の財政も厳しい中、高齢者が増え、高齢者の医療費負担が増えていることは国民全員の問題です。そのような状況で、高齢者の高額療養費の見直しや保険料軽減特例の見直しなどが行われています。老後生活を見据えて、高齢者医療制度がどうなっているのかをまずは確認し、それ以外に自助努力で民間の医療保険に加入しておくほうがいいのか、早めに検討してみてください。