■ 外貨建て保険について
最近では外貨建ての保険を扱う保険会社も増えてきました。外貨建て保険の魅力と注意点についてまとめてみます。
◎高金利が魅力
なんといっても外貨建て保険は円建ての保険に比べて利率が高いのが魅力です。
利率が高いことで、円建ての保険より保険料が安かったり、解約返戻金が多く増えたりするのです。
◎為替差益も期待できる
さらに為替相場によっては為替差益も期待できます。
1000ドルの保険料を払うのに1ドル100円のときなら10万円相当です。その後1ドル120円のときに円に換えれば12万円になって戻ってきます。
◎税金面で有利
外貨建て商品はいろいろありますが、保険の場合、利益は受取時まで課税が繰り延べされ、受取時に一時所得になるのがポイントです。一時所得は「たまたま今年入ってきたお金」となり50万円の控除があり、半分だけ課税対象になるのです。
たとえば外貨預金の利息や、外国債券の利息、外貨MMFの分配金などは支払時に約20%の税金が課税されてしまいます。保険の場合にはこの段階での課税はありません。
外貨預金を引き出すとき、為替差益は「雑所得」となります。総合課税なので、税金の負担を増やしてしまうことにつながります。
外国債券や外貨MMFを現金化するときの売却益や償還差益は為替差益分も含めて上場株式等のような「譲渡所得」になります。
外貨建て保険の「一時所得」は(解約返戻金 − 払込額
− 50万円)となります。
つまり現金化したときに増えた金額が50万円未満であれば実質課税されないといえます。
一時所得はその半分が課税対象になります。つまり一時所得が30万円であった場合、15万円が課税対象になります。
外貨建て保険には注意点もあります。
●保険料が変動する
毎回、為替相場によって保険料が変動します。円安になると支払い保険料は高くなってしまいます。
全期前納払いにすると割引はききますが、払ったときの為替相場が影響します。月払いや年払いなどにすると毎回、時間分散の効果があります。
●解約控除や市場価格調整などがある
途中で解約した場合には解約控除という手数料がかかる場合があります。
また解約するタイミングで市場価格調整がとられたりします。ただ、市場価格調整は解約金が減るだけでなく増えることもあります。これは保険が債券で運用されているからです。金利があがっているときに解約すると債券で運用していた保険は価値が下がっているので市場価格調整により解約返戻金が少なくなります。逆に金利が下がっているときに解約すると債券で運用している保険は価値が上がっているので市場価格調整により解約返戻金が増えます。
●為替差損もある
為替相場によっては為替差損も出てしまいます。
1000ドルの保険料は1ドル100円のときなら10万円相当です。その後1ドル80円のときに円に換えれば8万円になってしまいます。
このような注意点はありますが、為替リスクを少なくするためには長期で運用すること。そして満期がない商品で為替のタイミングをみながら現金化できるタイプがいいでしょう。