■ 結婚に関すること
最近のライフプラン相談では、独身の方のリタイアメントプランに関することが増えているように感じます。主観ですが、60歳ごろまでずっと独身だった方は、お金も自由に余裕をもって使ってきた方も多く、そんなに老後のための貯蓄もなく、老後もお金のかかる生活をなかなか変えられず、老後のお金に関して心配なことが多いです。
日本の生涯未婚率(生涯独身率、50歳の時の未婚の人の割合)は、男性23.37%、女性14.06%(国立社会保障・人口問題研究所 2015年)でした。もちろん、50歳を過ぎてから結婚する方もいらっしゃると思いますが、独身で生涯を過ごす人が増えていることは確かです。
とはいえ、多くの国民は結婚しています。
夫婦の平均初婚年齢は、国立社会保障・人口問題研究所の「出生動向基本調査」(2015年)によると、夫が30.7歳、妻が29.1歳となっています。
調査年次
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平均初婚年齢
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平均交際期間
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夫婦平均年齢差
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夫
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妻
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第10回調査(1992年)
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28.3歳
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25.7歳
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3.0年
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2.6歳
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第11回調査(1997年)
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28.4歳
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26.1歳
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3.4年
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2.3歳
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第12回調査(2002年)
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28.5歳
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26.8歳
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3.6年
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1.7歳
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第13回調査(2005年)
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29.1歳
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27.4歳
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3.8年
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1.7歳
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第14回調査(2010年)
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29.8歳
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28.5歳
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4.3年
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1.3歳
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第15回調査(2015年)
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30.7歳
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29.1歳
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4.3年
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1.6歳
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上記の表のとおり、少しずつ初婚年齢は上がってきていて、今は男女とも30歳前後が平均です。
ライフプランから考えると、20歳で成人(2022年からは18歳で成人)し、10年間独身生活を楽しみ、その間に就職し、恋愛し、30歳ごろに結婚。そこから、家族としてのライフプランがスタートしていきます。
FPとして、相談を受けることが多いのは、このライフプラン考える必要があるとき、つまり結婚、出産、住宅購入、子供の進学、定年退職などライフイベントがあるときです。その度に、貯蓄プランや保障プランなども見直し、将来に向けてお金の計画を立て直していきます。そうすることによって、将来の大きな不安は取り除き、今を楽しく生活することができます。そう考えると、この結婚というライフイベントはとても重要で、ここでしっかりライフプランを考えてお金の計画も立てておけば、あとはイベントがあるたびに修正さえいていけば、将来お金のことでとても困ることはないと言えるのです。
ちなみに、「ゼクシィ結婚トレンド調査2018」によると、結納・婚約から挙式、新婚旅行にかけた総額は、平均で約467万円でした。
総額
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466.6万円
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項目別の
平均額※
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結納式の費用
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17.9万円
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両家の顔合わせの費用
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5.9万円
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婚約指輪
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36.5万円
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結婚指輪(二人分)
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24.4万円
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挙式、披露宴総額
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357.5万円
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新婚旅行
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61.2万円
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新婚旅行土産
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10.5万円
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※各項目の金額は費用が発生した人の平均額であり、各項目の平均額の合計は総額とは一致しない。
しかし、結婚にどれだけお金をかけるかは、その夫婦の価値観よって異なります。披露宴はしない、婚約指輪はいらない、新婚旅行はいかないなど、結婚に関して選択肢はいくらでもありますから、納得のいく自分たちらしい結婚をしてもらいたいと思います。決して、お金をかければ幸せになれるというものではないですから。
大切なことは、ライフプランを早い段階で考えてみるということです。結婚によって、今まで一人で勝手に使ったり貯めたりしていたお金に関して、二人でプランを立てることになります。何にどれくらいのお金を使い、将来のライフイベントや生活に向けてどれくらい貯蓄していくのか、その話し合いができるカップルは、きっと将来的にもお金に関して心配することはないと思います。結婚を良い機会として、二人らしい楽しいライフプランを立ててみてはいかがでしょうか。