■ 老後資金に不安になったら整理してみよう
人生100年といわれる時代。
金融庁の“老後は2000万円の自助努力が必要”というコメントは大きな話題となりました。騒がれましたが、なんとなくそれぐらいはいるだろうなと思っていた人が多いのではないかと思います。
本当はいくら必要なのか?
その答えは、人それぞれです。お金の状況はもちろんのこと、価値観も違います。だからこそ、自分で自分の老後に必要なお金がいくらかを事前に確認しておく必要があるのです。
【整理しておきたい項目】
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公的年金はいつからいくら受け取れるのか?
→年金定期便などで確認しておきましょう。夫婦で老後も生活するなら、配偶者の年金も調べておきましょう。
A
退職金・退職年金(企業年金)はいくら受け取れるのか?
→勤務先の退職金規定を確認しましょう。退職一時金や退職後に受け取れる企業年金の制度があるかどうかわからない場合には担当部署に早めに確認しておきましょう。
B
貯蓄は現状どれくらいあるのか?
→家計にどれくらいの貯えがあるのか確認してみましょう。預貯金と投資商品それぞれどんなバランスで運用できているかも合わせて確認するとよいでしょう。
C
60歳以降の収入はいつまでどれくらい得られるのか?
→再雇用や再就職、副業などで得られる収入がどれくらいなのか情報収集しておきましょう。
D
親などの相続で資産を受け取れるのか?
→住宅など不動産を含めて相続で資産が受け取れるかどうかご両親などの家族で話し合っておきましょう。負債があるかどうかも確認しておくようにしましょう。
E
老後の住宅はどうするのか?
→老後はどこでどんな暮らしをするのか、住宅は今のままでいいのか、リフォームが必要なのか、田舎に戻って暮らすのかなど、夫婦や家族で話し合っておきましょう。
現役の間は、勤続年数や昇進などに応じて収入はある程度増えていきますが、勤務先によっては50代後半からは収入が少しダウンしたり、60歳以降は再雇用などでさらに収入がダウンしたり、そして年金生活になるともっと減ってしまったり、配偶者が先立ち、自分の年金だけとなってしまいます。このように老後に向けては、収入が階段を降りていくように下がっていきます。
それに対して、生活費はどうでしょうか?子供の教育費がかからなくなり、独立していってくれれば、その分の負担は減ります。住宅ローンも完済すれば負担は減ります。しかし、生活水準を下げて、生活費を抑えるのはなかなか難しいことです。老後に向けて、できるだけシンプルなお金の使い方ができるように少しずつ心がけていくようにしましょう。
以上のようなことを確認してうえで、最終的にはキャッシュフロー表を作成してみましょう。現在から1年ごとの時系列に表を作って、1年ごとの収入と支出、収支(収入と支出の差)、貯蓄残高と計算していきます。自分が100歳になるまで、貯蓄残高が残っていれば安心ですね。もしも貯蓄残高がマイナスになるようなら、今から何か対策が必要です。貯蓄計画を見直したり、働く期間を長くしたり、支出を抑えたりして、マイナスにならない計画を立てるようにしましょう。