■ 3大疾病について
「3大疾病」というと生活習慣病と言われたり、成人病と言われたりする病気で、誰でもかかりうるもの。今回は3大疾病と保険のポイントについてまとめてみました。
厚生労働省によると日本人の死亡原因の約半分は「がん(悪性新生物)・心疾患・脳血管疾患」であるという統計結果になっています。これらは重大な疾病だということがわかります。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life10/04.html
これらの病気は加齢とともに罹患する確率が高くなり、働き盛りの40代くらいから増加しているようです。
もしかかってしまったらどれくらい入院するのでしょうか?厚生労働省の平成26年の調査によると、がん(悪性新生物)の平均入院日数は約20日、心疾患(高血圧性を除く)は約20日、脳血管疾患は約90日となっています。脳血管疾患は入院が長期化する傾向にあるようです。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/14/dl/03.pdf
がん(悪性新生物)、心疾患、脳血管疾患っていったいどんな病気なのでしょうか?それぞれまとめてみました。
●悪性新生物(がん)
がんと一口にいっても「悪性新生物」と「上皮内新生物」とは異なります。
「上皮内新生物」とは、がん細胞が上皮内(組織の表層部分)にとどまって基底膜を越えていない状態です。それに対して、「悪性新生物」はがん細胞が基底膜(大腸の場合は粘膜筋板)を越えており、転移や再発の可能性もあるがんです。
●心疾患
心臓に何らかの障害が起き、血液の循環が悪くなることで引き起こされる病気です。心疾患には急性心筋梗塞、狭心症、心不全、心筋症、不整脈などがあります。
●脳血管疾患(脳卒中)
脳の血管のトラブルによって、脳細胞が壊れる病気の総称です。脳血管疾患には脳梗塞、脳内出血、くも膜下出血、脳動脈瘤などがあります。
【民間保険の3大疾病】
一般的に民間保険の3大疾病とは「がん・急性心筋梗塞。脳卒中」となっています。保険会社によっては「がん・心疾患・脳血管疾患」となっている保険もあります。各社で支給要件が異なります。
●がん
「悪性新生物」のほか「上皮内新生物」も同じように対象かどうかは各保険会社により異なります。
がんの保障は保険を契約しても契約から90日間は保障されず、91日目から保障が開始されます。
がん診断給付金とはがんと診断されると支給されます。がんは再発や転移をする病気でもありますが、最近では複数回もらえる保険が一般的です。2回目以降の支給要件に入院の有無があるかどうかは保険会社によって異なります。
●急性心筋梗塞
「急性心筋梗塞」が支給対象の保険では急性心筋梗塞以外の心疾患(狭心症など)は対象とはなりません。
また急性心筋梗塞に罹っただけでは支給要件には該当しません。一定日数以上、労働の制限を必要とする状態が継続したと医師によって診断されたときや手術した場合などに対象となります。
●脳卒中
「くも膜下出血、脳内出血、脳梗塞」が対象となります。脳卒中になっただけでは支給要件に該当しません。一定日数以上、言語障害、運動失調、麻痺などの他覚的な神経学的後遺症が継続したと医師によって診断されたときや手術した場合などに対象となります。
このように3大疾病というと「がん(悪性新生物)・心疾患・脳血管疾患」を指す場合と、
がん・急性心筋梗塞・脳卒中」を指す場合があります。保障範囲が広いほど保険料は高くなります。保険を選ぶ際には保障範囲や支給要件をよく確認しましょう。