■ 「2025年問題」とは
新型コロナウィルスもようやく少し収束してきたようですね。日常生活も早く元に戻ることを願うばかりです。
新型コロナウィルスも気になりますが、今回は、近い将来の問題「2025年問題」について紹介したいと思います。
いわゆる団塊の世代が75歳以上になる2025年には、75歳以上の人が約2,200万人となると予想されています。国民の4人に1人が75歳以上になり、超高齢化社会がやってきます。そのことでさまざまな問題が起きるとのことから、「2025年問題」と言われています。
そのため、問題となるのが、大きくは「人口と労働力」「医療」「介護」「社会保障費」「空き家」の5つのポイントです。
人口と労働力
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少子高齢化のため、後期高齢者が増える一方で、若い世代が減少し、労働人口が減る。労働力が減ると経済成長率も鈍り、国の税収も減り、社会保障費などが不足し、国民生活にもさまざまな影響がある。
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医療
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医療を必要とする人が増える一方で、医師や看護師の人手不足が深刻になる。さらに、医療保険給付は総額54兆円と推計されており、現在より12兆円以上増える見通し。
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介護
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認知症高齢者が1200万人を超えると予想されおり、要介護者が増えて、「介護人材の不足」「老老介護」、そして認知症の人が認知症の人を介護する「認認介護」が問題となる。
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社会保障費
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医療費・介護費に加え、年金も含め、社会保障費が膨らみ、140兆円を超えると言われている。このため、支える世代である現役世代の負担はますます重くなる。
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空き家
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人口が減っていく中でもマンションなどの供給は増え、需要は減っていき、空き家が増加する。5軒に1軒が空き家になると予想されている。所有者は「住めない」「貸せない」「売れない」という三重苦で、費用がかかるため適切な管理もせず、放置される空き家が増える。
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このように、急速に少子高齢化が進む中で、いろいろな問題が起こってきます。
将来的に年金は先細り、上記のような問題を解決するために消費税など税負担が増えていくと予想されます。つまり、現役世代の負担はますます増えると考えられます。
個別の対策としては、子どもを産み育てやすい制度を整えるなどの少子化対策、外国人労働者を受け入れるなどの労働者対策、ロボットやAIを活用するなどの医療・介護対策などさまざまな取り組みがあります。しかし、画期的な対策はなく包括的に考える必要があります。
個人でできる対策としては、
@ 出来るだけ長く働き続けるためのスキルを身に着ける
A 少しずつでも積立運用し資産形成をする
B とにかく健康管理をする(無駄な医療費を削減し、将来の介護費用削減にもつながる)
といった3つの対策が挙げられます。
いずれも抜本的な解決にはなりませんが、少しでも少子高齢化のスピードを下げ、急激な負担増を下げようという対策です。そして、若い世代だけに負担を強いることがないよう、全世代で痛み分けができる仕組み作りが必要です。そういう舵取りが政治主導でなされるといいのですが。