■ 離婚に関するお金
日本の夫婦では3組に1組が離婚するといわれています。価値観の違いや異性問題が原因の離婚が多いようですが、最近はコロナ離婚や介護離婚なども耳にしますね。
離婚に関するお金には、以下のように知っておいていただきたい4つのポイントがあります。
慰謝料
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不貞や暴力など、夫婦一方の行為によって、他方が損害を被った場合には、その損害を賠償することを求めること。それを慰謝料の請求という。
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財産分与
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結婚後、夫婦が協力してつくった財産を分配すること。たとえ銀行口座の名義が夫であったとしても、結婚後の貯蓄であれば、夫婦共有財産と考えられ、財産分与の対象となる。財産分与は、離婚の原因や理由によらず、請求することができる。
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年金分割
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夫婦のうち、将来受け取る予定の年金額が多い方が、他方に対して、厚生年金を分割する制度。
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養育費
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離婚に伴い親権を取得した親が、もう一方の親に対して、その子供の養育に必要な費用の分担を求めるもので、子供の生活費・教育費、医療費やお小遣いなど、子供が自立するまでの必要となる費用が含まれる。
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これらはどれも大事なポイントですが、なかでも一番のポイントは「養育費」でしょう。養育費は、離婚時に話し合って決めておくことが大切です。口約束ではなく、公正証書にしておきましょう。金額は、夫婦それぞれの収入によって異なるのが一般的な考え方です。その金額は家庭裁判所が目安として「養育費算定表」を作成してします。Webでも確認できるので、チェックしてください。
ただ、この養育費については、約束をしたものの、支払が滞ってしまうなどトラブルも多いのが現状です。催促しても支払われない場合は、家庭裁判所に養育費の支払請求調停・裁判を申し立てることができ、最終的には相手の給与などの差し押さえもできます。しかし、そこまでやるとお互いに肉体的・精神的にも負担が大きいでしょうし、難しい問題です。そこで、今、社会的にもシングルマザーの家庭の貧困が問題となっており、政府は女性支援策をとりまとめ、離婚後の養育費不払い問題を解消するための法改正を検討していく方針を発表しています。今後の法改正に注目しておきましょう。
とにかく夫婦で話し合いが難しいようであれば、離婚に詳しい弁護士に相談するなど第三者を交えて解決しましょう。どうするにしても一度冷静に考えてから決断してください。