■ あなたは浪費家?貯蓄家?
先日ネット上で面白い記事を見つけました。松井証券がインターネットで実施した「老後資金に関する調査」です。その中の「年収の貯蓄割合に関する言葉の定義」について中央値で集計した結果、年収の0〜10%の貯蓄で「浪費家」、11〜29%の貯蓄で「一般的」、30%以上の貯蓄で「貯蓄家」と認識しているというものです。
【例えば、年収500万円だったら】
年収の0〜10%の貯蓄
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年収の11〜29%の貯蓄
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年収の30%以上の貯蓄
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年間貯蓄額0〜50万円程度
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年間貯蓄額55〜145万円程度
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年間貯蓄額150万円以上
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浪費家
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一般的
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貯蓄家
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この認識に従うと、上記のように、浪費家か一般的か貯蓄家かは判定できます。
しかし、年収から、所得税・住民税、社会保険料(年金・健康保険・雇用保険)を差し引かれて、さらに年収の30%以上貯蓄するのは、なかなかハードルが高そうです。
年収500万円なら、手取り額はだいたい390万円くらいです。そこから150万円貯蓄すると、240万円残ります。つまり、月々20万円で生活することになります。そうすると、ボーナスは全部貯蓄にして、月給のうち20万円を超える部分を貯蓄していくイメージです。
月20万円の生活はどうでしょうか?例えば、家賃(住宅ローン・管理費等含む)・食費・日用品・光熱費・交通費(車関係費含む)・通信費・交際費・医療費・保険料(生命保険・損害保険等)・お小遣い(趣味・娯楽等)・雑費などの項目がありますが、なんとか20万円で基本的な生活はできそうな気はしますか?子供がいたとしたら、教育費は月々20万円から出せるでしょうか、旅行に行くとかはできるでしょうか?
こういったお金の使い方は家計によって異なるので、なんとも言えませんが、自分に置き換えて是非考えてみていただきたいと思います。個人的には、やはり貯蓄家への道は厳しそうです。
それでも、なぜ、貯蓄家を目指したいかというと、そこには「老後の不安」があるようです。同調査によると、「老後に不安がある」と回答した人が43.1%、「やや不安がある」が40.5%で、全体の8割以上が「不安あり」ということです。
具体的な不安としては、1位が「老後の資金」で79.5%でした。では、「老後のために必要だと思う資金」はというと、中央値で2000万円でした。
【例えば、現役の全期間の収入が1億2000万円だったら】
年収の0〜10%の貯蓄
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年収の11〜29%の貯蓄
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年収の30%以上の貯蓄
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貯蓄額0〜1200万円程度
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貯蓄額1320〜3480万円程度
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貯蓄額3600万円以上
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浪費家
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一般的
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貯蓄家
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現役の全期間の収入が、仮に1億2000万円だったとして、その間ずっと、収入の30%を貯蓄していたら、3600万円の貯蓄ができます。しかし、その3600万円の貯蓄の全部を「老後のための資金」にあてられるわけではなく、住宅資金や教育資金としても貯蓄は必要ですから、この貯蓄で足りるかどうかは分かりません。
ここで考えておきたいことは、収入の30%を貯蓄しても、そのベースとなる収入がいくらかによって貯蓄額は大きく変わるということです。つまり、収入をアップさせつつ、貯蓄家を目指して、まずは「資産形成」をしていくことが大切なのです。
そして、さらに老後資金を準備するなら、長期投資のメリットを活かして「資産運用」もしていくことです。
これからの時代、老後に備えるには、この「資産形成」と「資産運用」がポイントになるでしょう。