■ 住宅ローンの自己資金か?運用か?
住宅ローン金利が低い状況が続いていますね。手元にあるお金を自己資金に入れるか、手元に置いて運用するか、ということについて考えてみます。
住宅購入を検討している人にとって自己資金をどれくらい入れるか、というのは悩ましいところです。自己資金を入れるほど借金は少なくて済むので、利息を含めた返済負担を少なくすることができます。最近、住宅ローンはとても低い金利になっています。金利が低いということは借金につく利息が少なくて済むということになります。
いっぽうで、収入が上がる見通しがたてづらい昨今、できるだけ手元のお金を減らさないようにしたいし、将来にわたって貯蓄を増やしていきたいものです。
今回は自己資金を入れずに3000万円のローンを組む例と、自己資金を1000万円入れて2000万円のローンにした例をみてみます。3000万円借りた場合には@ローンの利息が多くなる、ローンにかかる手数料等が多くなる負担があります。
●1000万円多く借りることによる負担は・・・
@ローンの利息が多くなる
例 金利1.4% 35年
借入額3000万円
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利息約796万円
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借入額2000万円
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利息約531万円
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差
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▲約265万円
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Aローンにかかる手数料等が多くなる
例 融資手数料2.2%
借入額3000万円
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手数料約66万円
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借入額2000万円
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手数料約33万円
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差
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▲約33万円
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いっぽう、多く借りた場合にはB住宅ローン控除の上限が増えます。また手元のお金が1000万円あり、運用によって増やすこともできます。
●多く借りることによるメリットは・・・
B住宅ローン減税の上限が多くなる
例 年収800万円 扶養家族2人 金利1.4% 35年
借入額3000万円
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約312万円減税
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借入額2000万円
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約208万円減税
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差
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約104万円
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C手元のお金が多くなるため資産運用によってお金を増やせる
例 自己資金1000万円を入れなかったことで手元において運用できる
手元資金1000万円 0%で運用
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0円
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手元資金1000万円 1%で運用
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約105万円増加
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手元資金1000万円 3%で運用
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約344万円増加
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1000万円の自己資金を入れず3000万円借りる場合の「負担(@+A)」と「メリット(B+C)」を比較してみます。
Cの運用を0%とすれば、負担(@+A)298万円 > メリット(B+C)104万円となります。住宅ローン減税の上限が高くなるよりも、ローン利息の負担のほうが高くなってしまいます。
Cの運用を1%とすると、負担(@+A)298万円 > メリット(B+C)262万円となります。運用で増やすといってもリスクがあるので、住宅ローン金利より低い利回りとすると負担のほうが大きくなります。
ただ、Cで3%とすると、負担(@+A)298万円 < メリット(B+C)448万円となります。住宅ローン金利よりもっと高い利回りで増やせる人であれば、手元に1000万円残しておいたほうが良いということになります。
参考にしてみてください。
※わかりやすく固定金利の住宅ローンでシミュレーションしてみました。