■ 年金の繰上げ・繰下げの受給
公的年金の受給開始は、原則65歳です。
65歳前に受け取り始めることを繰上げ受給といい、65歳を超えてから受け取ることを繰下げ受給といいます。
繰上げ受給や繰下げ受給を選択した場合、その年金額が一生続くことになるので、特に繰上げ受給をする際はよく考えてからにしましょう。
2022年4月1日以後の年金繰上げ・繰下げの受給率は以下のようになります。
60歳
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76.0%
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61歳
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80.8%
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62歳
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85.6%
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63歳
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90.4%
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64歳
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95.2%
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65歳
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100.0%
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66歳
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108.4%
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67歳
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116.8%
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68歳
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125.2%
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69歳
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133.6%
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70歳
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142.0%
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71歳
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150.4%
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72歳
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158.8%
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73歳
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167.2%
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74歳
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175.6%
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75歳
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184.0%
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※繰り上げ受給については、2022年3月までは1ヵ月あたり0.5%の減額率でしたが、2022年4月以降に60歳になる方は減額率が1ヵ月あたり0.4%に緩和され、減額率は最大で24%となる予定です。
なお、会社員や公務員などの場合、厚生年金に加入することとなり、受け取ることができる年金の種類は「国民年金」と「厚生年金」の2つです。受給開始年齢を遅らせる繰り下げ受給を行う場合には「厚生年金と国民年金の両方を繰り下げ受給する」または「どちらか一方のみ繰り下げ受給する」といういずれかを選択できます。
ここ数年は、繰下げ受給を選択する人が増えてきています。繰下げ受給すると年金額がアップするので、確かに魅力的ですが、以下の点は注意してください。
●老齢厚生年金を繰り下げると、加給年金がもらえない場合がある
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●特別支給の老齢厚生年金は繰下げできない
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●繰下げて年金額が増えると、税金や社会保険料が増える場合がある
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特に、3番目の「税金や社会保険料が増える場合がある」は見落としがちなので気を付けてください。受給する老齢年金が一定以上であれば雑所得として申告が必要です。年金の繰下げにより所得が増えれば、それに伴って負担する所得税が増えますし、国民健康保険料や介護保険料も上がることがあります。
受け取る金額だけに注目するのではなく、負担する金額も含めて、どんな年金の受取方がよいのか、検討するようにしてください。