■ 物価の上昇について
総務省が発表している消費者物価指数は2022年5月までで9ヵ月連続上昇していると、報道されました。
原因は、主にエネルギー価格の上昇と円安です。
私たちの生活に直接影響が大きいものは、電気・ガス料金、ガソリン代といったエネルギー関連の値上げと、食用油などを中心にした食料品の値上げです。
今後の見通しはどうでしょうか。
企業同士で取引される原材料などの価格を示す「企業物価指数」が、この5月は前年同月比で9.1%の伸び率となっていますが、同じ月の比較で「消費者物価指数」は2.1%であることから、その差を企業間での取引や企業内努力で吸収してきたとみることができ、これ以上は耐え切れず、今後は商品価格への転嫁がすすむと予想されています。
物価が上昇しても、それ以上に賃金が上昇していれば問題はありません。しかし、現状、賃金上昇は物価上昇に追いついていません。そこの差を、冷静にとらえ、家計内努力で吸収する必要があります。対策としては、以下のようなものが考えられます。
消費を減らす(節約する)
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国内自給率の高いお米を主食にする。
健康のために腹八分目。食べ残しゼロ。間食なし。
外食は、コロナ自粛中と同様に避ける。自炊する。
節電・節水は基本。
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収入を増やす
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副業・パートなど自分や家族の収入を増やす。
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投資する
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インフレに負けないよう投資する。預貯金はインフレに弱く、そのままでは目減りすることに注意。
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そして、懸念されているのが、“スタグフレーション”です。
インフレーション(インフレ)
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物価が継続的に上昇している状況。
物やサービスの価格が上がっても、消費者が積極的に購入するため、企業の売り上げが上昇し、企業利益が増え、従業員の給料が上がり、より積極的な消費活動になる。お金の循環が活発になり、経済が発展する。
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デフレーション(デフレ)
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物価が継続的に下落している状況。
物やサービスが売れず、企業の売上が落ち込み、業績が悪化し、従業員の給料が下がり、消費行動が消極的になる。お金の循環が滞り、景気は停滞し、給料が下がるとより安い物やサービスが求められ、企業は価格をもっと下げる、このように物価下落が加速する悪循環を、デフレスパイラルという。
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スタグフレーション
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インフレーションの物価上昇とデフレーションの景気停滞が同時におきている状況。
景気が停滞しているのに物価が上昇するため、収入が増えず支出が増えて家計が苦しくなる。
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スタグフレーションの対策としては、やはり資産の分散です。株式投資や債券投資といった有価証券だけでなく、不動産や金、外貨などで資産を持つことが効果的といわれます。
今後どうなっていくのか不透明です。現状をしっかり観察し、出来る対策を行っていくことが大切だと思います。