■ NISA制度の拡充
2022年12月、2023年度の与党税制改正大綱を決定し、2024年以降のNISA制度が拡充されることになりました。
新制度の内容は、以下のとおりです。
【NISA拡充の概要】
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従来
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新制度(2024年スタート予定)
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制度の期限
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つみたて
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2042年
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恒久化
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一般
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2028年
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非課税保有期間
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つみたて
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20年
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無期限
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一般
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5年
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年間上限額
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つみたて
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40万円
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つみたて
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120万円
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一般
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120万円
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成長投資枠※
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240万円
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生涯限度額
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つみたて
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800万円
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1800万円
(うち成長投資枠※ 1200万円)
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一般
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600万円
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つみたてと一般の併用
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不可
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可能
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※新制度で新たに設けられる「成長投資枠」とは、個別の株式にも投資できる枠で、従来の一般NISAと同様のものと思われます。詳細はこれから決まるので、注目しておきましょう。
ポイントは以下の5つです。
●制度が恒久化されること
従来の制度では、制度の期限があり、将来、制度がなくなってしまう心配をしつつ、制度がある間に投資をしておこうという意識でした。しかし、制度が恒久化されるので、打ち切りになる心配もなく、将来を見据えて継続的に投資していくことが可能です。
●非課税保有期間が無期限になること
従来の制度では、一般NISAは「5年」で、その5年の間に売却するか、期限まで保有し次の期間に引き継ぐ「ロールオーバー」をするかを検討し、ロールオーバーするには手続きが必要で、ちょっと面倒だなと感じることもあります。が、それが無期限になるということは、ロールオーバーの必要もなくなるので、制度として使いやすくなります。
●年間投資限度額が拡大すること
つみたてNISAが「40万円」が「120万円」に、一般NISAが「120万円」が「240万円」になり、NISAで投資できる金額が増えます。
●生涯限度額も拡大すること
従来のNISA制度では、「年間投資限度額いっぱいまで使わないともったいない」という意識が多少ありましたが、制度が恒久化され、生涯限度額1800万円(うち成長投資枠は1200万円まで)まで、自分のペースで投資していくことができるようになります。
また、従来のNISA制度では、売却するとその投資枠は再利用できない仕組みですが、新しい制度では、生涯限度額を超えなければ、途中で売却した場合、その投資した金額については、年間投資限度額の範囲で、再度投資枠が利用できるようになります。
●つみたてNISAと一般NISAが併用できること
従来のNISA制度では、つみたてNISAか一般NISAか、その年ごとにどちら一方しか利用できませんでしたが、新制度では併用できるようになります。つみたてNISAで一定額を投資信託に積立てながら、成長投資枠NISAで個別株に投資することもできるわけです。
以上のように、制度としてかなり使いやすくなります。
新制度は2024年からなので、2023年は従来の制度のままです。これまでの従来の制度で投資している資産は、
新制度には移行しません。2023年も従来の制度で投資をしておけば、2024年からの新制度とは別枠で一定期間運用できますね。制度を上手に使って、自分のペースで、資産運用していくようにしてください。