■ 日経平均株価が史上最高値へ
2024年2月は日経平均株価がバブル時代を超えました。バブル時代の日経平均の最高値は1989年12月29日の3万8915円でした。その後約30年、その最高値を超えることはありませんでしたが、日経平均株価が上昇し続け、2024年2月22日はとうとう3万9098円となりました。日経平均株価が上昇している理由は以下のようなことが考えられます。
●米国の株高
米国の株価が上昇している背景により、半導体やITに関連する業種の株価が上昇しました。
●日本企業の業績向上
為替相場は1ドル=150円あたりまで円安になっています。円安などを背景に、自動車や機械など輸出関連の企業の業績が良い日本企業が増えてきました。
●円安で日本株に割安感
円安の影響もあり、海外投資家にとっては、ドルやユーロなどと比較して日本株の割安感が高まりました。
●日銀の金融緩和姿勢の継続
株価は日銀の金融政策に影響を受けます。日銀が利上げすると企業の借り入れ利息が増えるので利益が少なくなります。さらに新規の借り入れをすることも控えるので事業が縮小し株価は下がっていくのです。
2024年2月、日銀はマイナス金利を解除しても緩和的な金融環境を維持すると発言しました。これが投資家に株式投資の安心材料となり、株式投資につながり、株高が進みました。
●新 NISA拡充で期待感も
2024年1月から新NISAが始まりました。これにより個人投資家による新NISAへの期待感が高まりました。東京市場の投資家は海外投資家が中心ですが、個人投資家が新たに投資する動きが出てきています。
●物価上昇
円安によって輸入材などが高騰し、物価が上がっています。企業が提供するモノやサービスが高騰する一方、企業は物価上昇ほど賃金を上げていないので、企業の収益が拡大していて、株価を押し上げているという見方もあります。
ほかにもいろいろな要因があると思いますが、このような背景から日経平均株価が上昇しています。
2022年、国家戦略として「資産所得倍増プラン」が決定されましたが、私たち、1人ひとりが自分で資産づくりを意識しなければならない時代になっています。
円安や物価高による家計支出の増大を資産運用でカバーしていくことも必要になっています。