■ 複利パワー
アインシュタインが複利について「人類最大の発明」と言ったと伝えられています。複利パワーについてみてみましょう。
複利とは利息の付き方の話です。利息の付き方には単利と複利があります。
●単利
単利とはあくまで元本に対して利息がつくというものです。例えば、100万円運用して利率5%がつく例でみてみます。この場合は100万円に対して毎年5%、つまり5万円の利息が支払われます。利息は一定額で変わらないので、3年間でついた利息は5万円×3年=15万円となります。
期間
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元利合計額
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1年
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105万円
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2年
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110万円
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3年
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115万円
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単利の式は以下のようになります。「〇年運用するといくらになる?」と考えるとき、期間(〇年)を掛け算することで計算できます。
元本×(1+利率×期間)
●複利
複利は利息を含めた金額にまた利息がついていくというものです。例えば元本100万円に5%の利息がつく例でみてみます。1年目は100万円に5%(5万円)の利息がつきます。2年目は利息を含めた105万円に5%(5.25万円)利息がつきます。3年目は110.25万円に5%(5.51万円)利息が付きます。複利は利息がまた次の利息を生むしくみとなっています。単利より複利のほうが増えていきます。
期間
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元利合計額
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1年
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105万円
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2年
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110.25万円
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3年
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115.76万円
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複利の式は以下のようになります。「〇年運用するといくらになる?」と考えるとき、期間(〇年)をべき乗することで計算できます。
元本×(1+利率)期間
●雪だるま式
これは雪ころがしして雪だるまを大きくしていくのと似ています。雪の大きさ(金額)、利率(くっつきやすい雪)、時間(長さ)の3つの要素の相乗効果により、より大きな雪だるまを作ることが可能です。
金額 × 利率 × 期間
●複利パワーで資産形成し、資産寿命も伸ばす
複利は時間が経つほどその相乗効果により、複利パワーを発揮します。複利パワーを活用して資産形成するだけでなく、資産を取り崩して受け取るときも複利で運用しながら受け取ると資産寿命を延ばすことができます。例えば資産が4,000万円あったとして、そのまま毎月20万円ずつ取り崩していけば82歳で資産はゼロになってしまいます。でも5%で運用しながら毎月20万円ずつ取り崩すとお金の寿命は102歳になります。
従来は 現役時代に貯蓄をして リタイア後はその貯蓄を取り崩していくというのが一般的でした。これからの資産管理は現役世代の資産形成は貯蓄から投資へ、そしてリタイア後は運用しながら資産寿命を延ばしていくというようになっていくのではないでしょうか?
●再投資して複利効果
投資についても分配金を毎回受け取るのではなく、分配金を再投資するような形態であれば複利パワーが働きます。投資で得られた利益をまた次の再投資にまわしてまた次の利益が生まれるようにすることで複利パワーで増やしていけるのです。
●複利効果応用編〜1%の効果〜
1は何を何回かけても1のままです。今日の自分を1とすると、現状維持ではいつまでたっても現状のままです。もし今日は昨日よりも1%ずつ頑張って毎日過ごすと、1の365乗は37.8で、1年後は今の自分の37.8倍の自分になります。逆に昨日よりも1%ずつ頑張らなかったら、0.99の365乗は0.03で、限りなくゼロになってしまいます。複利効果を生かすも活かさないも自分次第ということ。逆の効果もあるので注意しましょう。
1.01365 =37.8
1365 =1
0.99365 =0.03