退職金・企業年金の受取額はどれくらい?
従業員千人以上の企業は、30年以上勤務で2,000万円
サラリーマンの方は、退職の際に受け取る退職金・企業年金が老後の大きな収入となりますが、企業によって退職金制度や企業年金制度に違いがあります。厚生労働省の調査によると、退職金と企業年金の合計額は従業員が多い企業ほど高く、従業員300〜999人では勤続35年以上、1,000人以上では勤続30年以上で2,000万円を超えています。
しかし近年は、成果主義賃金制の導入などもあり、賃金額の安定的な上昇をもとにした、退職金や企業年金などの支給額を予測することが難しくなっています。
■ 退職金制度内容別の実施企業の割合
(単位:%)
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制度の内容
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企業規模
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30〜99人
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100〜299人
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300〜999人
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1000人以上
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退職一時金のみ
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54.1
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34.7
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22.7
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11.0
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退職年金あり
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45.9
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65.3
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77.3
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89.0
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退職年金のみ
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18.3
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21.6
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26.4
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19.1
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退職一時金と併用
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27.7
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43.7
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50.9
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69.9
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<厚生労働省「平成15年就労条件総合調査」より・退職金制度がある会社についての統計>
■ 退職金と企業年金(一時金換算)の合計額のめやす
(単位:万円)
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勤続年数
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企業規模
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30〜99人
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100〜299人
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300〜999人
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1000人以上
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25〜29年
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755
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800
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1,027
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1,481
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30〜34年
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923
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1,306
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1,576
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2,123
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35年以上
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1,294
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1,538
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2,137
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2,378
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<厚生労働省「就労条件総合調査」/平成15年>
なお、退職金の課税については、他の所得とは合算せずに退職所得として分離課税されるため、税金面で優遇されています。
■ 退職所得控除
勤続年数20年以下の場合
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40万円×勤続年数(最低80万円)
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勤続年数20年超の場合
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70万円×(勤続年数−20年)+800万円
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計算例(勤続年数38年の場合)
退職所得控除=70万円×18年+800万円=2,060万円