離婚すると財産はどうなる?
ケースによって多大な経済的損失になる場合も
離婚すると財産はどうなるのでしょう。下の事例は、離婚件数が最も多い男女30歳代前半の夫婦で、夫に全面的な原因がある離婚の場合の、夫からの財産分与等のシミュレーションです。このケースでは分与額等の合計が約1,700万円になっています。
■ 離婚による財産分与等の例
・離婚件数が最も多い年齢層は、男性・女性とも「30〜34歳」。
・離婚までの平均同居年数は「10.3年」(※5年未満が36.8%)。
・離婚時に扶養していた子ども(20歳未満)がいる場合、その数は「1人」が約半数。
<厚生労働省「人口動態調査」/平成18年>
【事例】
男性(34歳・サラリーマン)、女性(32歳・専業主婦)、子ども(4歳)の夫婦(婚姻期間5年)が、夫に全面的に原因があり平成20年5月に離婚。子どもの親権は妻がもち、ローンが残る住宅には夫が住み続ける。
・夫の平均収入 : 457万円
・世帯の貯蓄残高 : 651万円
・世帯の負債 : 835万円(うち住宅ローン等786万円) ⇒ 住宅ローン以外の負債 : 49万円
<総務省「家計調査年報」/平成19年>
(1)財産分与 : (貯蓄残高−負債残高)×1/2=約301万円
(2)慰謝料 : 100万円(推定)※離婚原因により異なる。
(3)養育費 : 5.8万円(推定月額)×12ヵ月×19年(大学卒業時まで)=約1,322万円
※5.8万円は年収より相場を計算。
⇒財産分与等の金額 (1)+(2)+(3)=約1,723万円
・年金分割 : 婚姻期間(5年)にかかる厚生年金の分割割合を50%とすると分割額は年額約6万円