万一に備えるための保障額の具体例は?
サラリーマンのケース
■ サラリーマンのAさんをモデルとした計算例
Aさん(40歳、サラリーマン)の場合
23歳より厚生年金に加入
家族構成・・・妻(専業主婦)38歳、長女10歳、長男8歳
平均標準報酬月額30万円(平成15年3月まで)
平均標準報酬額 39万円(平成15年4月の総報酬制導入以降)
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持ち家、住宅ローン残高あり(団体信用生命保険加入)
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現在の生活費月額30.3万円
(総務省統計局「家計調査年報(平成19年)」の世帯構成員4名の勤労者世帯の1ヵ月の消費支出から教育費を引いたもの)
【支出見込額】
遺族の生活費
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末子独立まで
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末子8〜22歳の15年間(末子23歳で独立)
・月額30.3万円×0.7×12カ月×15年
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3,818万円
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末子独立後
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妻53〜86歳(妻53歳時平均余命)の34年間
・月額30.3万円×0.5×12カ月×34年
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6,181万円
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別途必要資金
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教育費
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長女(高校まですべて国公立、私大文科系・自宅)
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1,098万円
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長男(高校まですべて国公立、私大文科系・自宅)
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1,165万円
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結婚資金(親の援助額)
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182万円
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住居費用(修繕等)※
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658万円
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葬儀費用
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633万円
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相続費用
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100万円
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予備費
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300万円
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合計
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14,135万円
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※住宅ローンを組み団体信用生命保険に加入していれば、万一のことがあった場合、ローンの残債は団体信用生命保険で返済されますので、ここでは修繕費用のみを計算に入れています。賃貸住宅または社宅に居住している場合、賃料も別途計算にいれる必要があります。
【収入見込額】
社会保障
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長男10〜18歳の9年間(遺族基礎年金、遺族厚生年金)
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1,586万円
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長女17〜18歳の2年間(遺族基礎年金、遺族厚生年金)
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307万円
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妻49〜64歳の16年間(遺族厚生年金、中高齢の加算)
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1,773万円
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妻65〜86歳の22年間(老齢基礎年金、遺族厚生年金)
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2,874万円
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公的年金合計※
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6,540万円
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企業保障
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死亡退職金や弔慰金など
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400万円
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自己資産
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預貯金、有価証券、売却可能資産など
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600万円
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生命保険
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世帯主の既加入分
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2,800万円
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その他
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妻の勤労収入(年間100万円×60歳になるまでの22年間)など
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2,200万円
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合計
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12,540万円
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※遺族厚生年金の年額は、厚生年金の加入期間が300月に満たない場合、300月で計算されます。
必要死亡保障額(目安額)
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【支出見込額】 −【収入見込額】=
1,595万円
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遺族の生活費等は、サラリーマンの場合は遺族年金や企業保障などである程度まで保障されますが、それだけでは不十分なのが実情のようです。この不足分は生命保険の追加契約等で準備しておく必要があります。
自営業のケース
■ 自営業のBさんをモデルとした計算例
Bさん(40歳)の場合
20歳より国民年金に加入
家族構成・・・妻38歳、長男10歳、長女8歳
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持ち家、住宅ローン残高あり(団体信用生命保険加入)
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現在の生活費月額30.3万円
(総務省統計局「家計調査年報(平成19年)」の世帯構成員4名の勤労者世帯の1ヵ月の消費支出から教育費を引いたもの)
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妻は40年間国民年金に加入し、老齢基礎年金を満額受給するものとして計算
【支出見込額】
(1)サラリーマンのケースと同じ
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約 14,135万円
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【収入見込額】
公的年金
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長男10〜18歳の9年間(遺族基礎年金)
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1,123万円
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長女17〜18歳の2年間(遺族基礎年金)
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204万円
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妻49〜64歳の16年間
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0万円
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妻65〜86歳の22年間(老齢基礎年金)
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1,743万円
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公的年金合計 計49年間
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3,070万円
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事業収入
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妻の収入(年間200万円×60歳になるまでの22年間)など
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4,400万円
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自己資産
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預貯金、有価証券、売却可能資産など
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600万円
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生命保険
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世帯主の既加入分
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2,800万円
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合計
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約 10,870万円
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必要死亡保障額(目安額)
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【支出見込額】 −【収入見込額】= 3,265万円
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自営業者の場合、厚生年金や企業保障がないため必要保障額は一般的にサラリーマンより多くなります。そのかわりに上記のケースのように世帯主死亡後の事業収入が見込めることもありますが、事業を承継しないケースや、承継後の事業がうまくいかないケースを想定した場合は、必要保障額がさらに大きくなります。