先進医療とは? どれくらい費用がかかる?
厚生労働省より承認される高度な医療技術
高度な医療技術を必要とする治療や手術に対して、厚生労働省がその実績を認めた場合、特定の医療機関(特定承認保険医療機関)によるその医療技術の提供が承認されます。このような医療技術を先進医療といいます。現在81種類の医療技術が530医療機関で提供されています(平成20年7月1日現在)。
■ 先進医療の技術料は全額自己負担、それ以外は公的医療保険の対象
先進医療の技術料は、公的医療保険の対象になりません。したがって、先進医療による治療や手術などを受けた場合は、その技術料については全額自己負担になります。
先進医療の技術料以外、たとえば診察料、検査料、投薬料、入院料などは公的医療保険の対象となり、患者の自己負担は大きく減ります。
【例】一般の被保険者(70歳未満)で、1ヵ月の医療費が300万円、うち先進医療の技術料部分が200万円の場合
注 :患者の自己負担30万円のうち21万2,570円は高額療養費として給付されるので、実際の医療費の自己負担額は8万7,430円になる。
⇒ 最終的な患者の自己負担額=先進医療の技術料200万円+8万7,430円=208万7,430円
■ 平成19年の先進医療の実績(平成18年7月1日〜平成19年6月30日)
先進医療技術数(平成19年6月30日現在)
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117種類
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医療機関数
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373医療機関
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全患者数
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14,179人
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総金額
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約98億4,000万円
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保険外併用療養費および一部負担金の合計額
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約49億4,000万円
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先進医療に係る費用
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約49億円
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総金額のうち先進医療に係る費用の割合
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49.8%
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<中央社会保険医療協議会「平成19年6月30日時点における先進医療の実績報告について」/平成20.3.26>
■ 先進医療の技術料【例】
悪性腫瘍に対する粒子線治療
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約283万円
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固形がんに対する重粒子線治療
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約308万円
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脊椎腫瘍に対する腫瘍脊椎骨全摘術
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約202万円
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凍結保存同種組織を用いた外科治療
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約78万円
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強度変調放射線治療
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約69万円
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腹腔鏡下肝切除術
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約27万円
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骨髄細胞移植による血管新生療法
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約27万円
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注:技術料は1件当たりの費用
<中央社会保険医療協議会「平成19年6月30日時点における先進医療の実績報告について」より/平成20.3.26>